Laura day romanceは普遍的なエモーショナルさと独特な匂いを両立させるバンドだ

Laura day romanceは普遍的なエモーショナルさと独特な匂いを両立させるバンドだ
Laura day romanceの楽曲たちは、大人になるにつれほとんど忘れていたような淡い感情や経験を思い起こさせ、鮮やかに情景を浮かび上がらせるスイッチをどの曲ももっているように思う(もはやそんな経験していないのに、情景が浮かぶことがあるくらい)。

それはきっと、彼らがもつ絶妙なバランス感覚がなせる業だ。確立した詩的な世界観を持ちながらも、内にこもりすぎない歌詞。どこか物憂げで柔らかく、曲に独特な香りをまとわせる井上花月の歌声。そこにシンプルだがエモーショナルなメロディが乗ると、Laura day romanceの色はしっかりと感じさせながら、どの時代でもどの世代でも素直に「ああ、いいな」と思える普遍さをもつ楽曲に仕上がる。

ただこの「Laura day romanceの色」というのも作品ごとに結構変わっていて、ひとつのイメージにとどまらない自由さや柔軟さも彼らの大きな魅力だ(特に今年4月にリリースされた4thデジタルEP『Sweet.ep』の“アイデア”は新機軸だと思う)。


今後のリリースや活動がますます楽しみな彼らだが、来年2月に1年9ヶ月ぶりのワンマンツアーを開催することが発表された!
Laura day romanceは普遍的なエモーショナルさと独特な匂いを両立させるバンドだ

各地のサーキットイベントやフェスに出演しては入場制限がかかったり、対バンライブはもちろんワンマンライブも軒並みソールドアウトだったりと、ライブシーンでの存在感がものすごかったので、ワンマンツアーが1年9ヶ月ぶりというのは意外だった。

ツアータイトルは「Laura day romance oneman tour 2024 『We are who we are』」。「We are who we are」、直訳すると「私たちは私たちだ」というような感じだろうか。――2017年に結成し、活動7年目を迎えた今年5月にオリジナルメンバーの脱退もあった彼らが冠したこのタイトルに、特別な意味を感じてしまうのは私だけではないはずだ。このツアーは、バンドがこれまで何を思っていたのか、今何を感じているのか、Laura day romanceとはなんなのかを再確認し、バンドが新たなステージに向かうための3日間になるのではないかと思う。(藤澤香菜)


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