TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第二クールOPテーマを担当するにあたり、直近では自らの作詞作曲による楽曲のリリースが続いていた菅田将暉が東京スカパラダイスオーケストラに声をかけたことで今回のコラボは実現したという。
スカパラにゲストボーカルとして菅田が参加したのではなく、菅田がスカパラを迎え入れた形になった。意外にも初タッグだ。
まさに二組のアーティストによる真剣勝負が繰り広げられる今作は、谷中敦による作詞がいつにも増して光っている。
《⾃らを許さない強い愛が/逆さの刃を抜かせた》《⼈を斬らずに修羅の闇を斬れ》と作品の世界観を忠実に再現しながら、《憎しみの鎖を引き裂くまで がなれ》の《がなれ》に、これでもかというくらいの気迫を感じる。
それはもちろん、菅田の太く深く、そして緩やかに震えながら、サウンドを一刀両断するかのようにまっすぐ響く歌唱あってこそ。
ボーカルとホーンセクションが完全にユニゾンする楽曲終盤は、菅田将暉とスカパラによる鍔迫り合いを間近で見ているような、聴いているだけで極限のスリルを味わうことができる。
そしてラスト、《吠えろ/Live with hope/続け/がなれ》の畳み掛けに心は高揚し、熱狂し、励まされ、鼓舞される。“るろうの形代”は、浮世の渦にのみ込まれもがく我々現代人の手を無条件で引っ張り上げてくれるような最高のファイトソングだ。何度でもリピートしたくなる。(橋本創)
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菅田将暉×スカパラの鍔迫り合いが極限のスリルを生み出す! “るろうの形代”は最高のファイトソングだ
2023.10.27 20:00