札幌在住スリーピース・KOHAKUの奏でる音が、生き急ぐ私たちの時計の針を緩めてくれる

札幌在住スリーピース・KOHAKUの奏でる音が、生き急ぐ私たちの時計の針を緩めてくれる
2021年7月結成、札幌在住スリーピースロックバンド、KOHAKU。“恋人たち”という曲で彼らに出会った。

まず、声に驚かされた。一聴するとぶっきらぼうで気怠いようにも聴こえるが、中音域でもビブラートがかかっているような不思議な響きが優しい。

楽曲のテンポはゆっくりで全然焦ってないし、わかってほしくて意気込んでる感じもない。ただ隣にいてくれるだけなのに、その事実だけが与え得る圧倒的な安心感。それが歌声だけじゃなく歌詞やメロディ、リズム、フレーズ、音色――このバンドを構成するすべての要素に一貫して貫かれているような気がした。


11/8にリリースされた新曲“町を編んで”はそんなKOHAKUらしさが詰まった楽曲だ。“恋人たち”と同じく、アルペジオの弾き語りからスタートし展開していく楽曲構成は、彼らが何よりも「歌」を大事にしていることの表れなんだと思う。

若月 樂(Vo・G)はこの楽曲のセルフライナーノーツで「自分を守ってくれる時間、場所、人のことを歌いたいと思っています」と綴っているが、リスナーにとってはKOHAKUの音楽そのものが「自分を守ってくれる」存在なのではないかと思う。KOHAKUの音楽に触れているその間だけは時間がゆっくり流れて、少し立ち止まって深呼吸をしようと思える。お守りみたいなバンドだ。(竹内ほのか)


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