「どうせ裏アカでしか呟かれないバンド」──そう名乗る彼らは確かに、歌詞にしていいのかどうかギリギリなことを歌っている。“Tinder”“オモチャ“”JKリフレ“など、今作に収録された曲名のリストを見ただけでもその強烈さは伝わってくるくらいだし、「このバンドが好きだ」とか「この歌詞にめちゃくちゃ共感する」ということは、確かに裏アカじゃないと呟きづらいことなのかもしれない。だが、自分の隠したい部分を突かれることほど、刺激的なことはないということを彼らはわかっている。
まずはTikTokでも話題になった、彼らの代表曲とも言える“Tinder”を聴いてほしい。冒頭から心掴まれて、繰り返されるメロディが脳裏に焼きつく。その快感に蝕まれてしまえば、もう彼らの虜だ。
まだ荒削りな部分もあるが、歌詞の内容からは想像できないくらいキャッチーなメロディと、エモーションを爆発させながらも言葉がよく聞こえてくる歌がアルバムの全曲を通して貫かれているのが素晴らしい。《あーあ、うざったいな／全部消えたらいいのに》と叫ぶように歌う“クソラスト“なんて、とびっきりのポップソングになっていて、このバンドが持つ振り幅の大きさには今後も期待をしたくなる。
日々毒のように垂れ流される感情を持て余しているあなたに、出会ってほしい。（竹内ほのか）
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