Dannie Mayは夢を語るバンドで、「6周年を迎えました」というMCの二言目には初のフェス出演という夢が叶ったことに言及したり(4月29日のJAPAN JAMに出演します!)、アンコールで7月の恵比寿LIQUIDROOMワンマンをソールドさせるリベンジを誓ったり、ずっと目標として掲げているZeppワンマンという夢も再確認した。
楽曲はロックにポップスにダンスミュージックにと、同じバンドの曲とは思えないほど曲調がバラバラだけど、歌っていることはすべて根底でつながっている。特に今回の新旧織り交ぜたセトリの流れはそれを如実に表していた。ライブがこれまで以上にあっという間に感じたのも、1曲1曲が個性を主張し合うというよりも、「Dannie May」というひとつの大きな概念を提示したような洗練されたライブになっていたからだと思う。
その概念というのが、「あなたが頑張っているとき、同じように頑張っているバンドであり、あなたが辛いとき、同じように辛い思いをしているバンドである」ということ。
先が見えない状態で何かを続けることがどれだけ苦しいことか。前向きなときは心の支えだった成功者の言葉も重荷になり、誰の声も聞こえなくなったとき、未来がどうなるのかわからなくても現在進行形で足掻いている人の姿だけが、あなたを救えるかもしれない。
もしあなたの中に、本当は辞めたくないのに諦めてしまいそうならことがあるなら、Dannie Mayのライブを観てから考え直すのでも、きっと遅くない。(有本早季)
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