週末、3月17、18日の2日間、幕張メッセで開催されていたGO! FES 2012。
いくつかライヴをハシゴしていたので僕は、全部のライヴを観ることはできなかったのだが、幅広いジャンルの音楽をお客さんが一体になって楽しんでいて、すごく気持ちの良い空間が広がっていた。
中でも個人的に印象深かったのは、今回のラインナップの中で圧倒的に知名度の低い女性シンガー・溝渕文が大健闘していたこと。
これまでインディーズからミニアルバム『Telescope』、メジャーからフルアルバム『アサガタノユメ』をリリースしている彼女。
『アサガタノユメ』からは人気曲“雨粒”“CHARGE”を披露していたが、これまでになく大胆なホーンアレンジが加わったことによって、楽曲の奥に秘められていたエネルギーと色彩が一気に噴き出した感じ。
それによって溝渕の歌は、水槽から広い湖に放たれた魚のように活き活きと泳ぎ回っていた。
特に爽やかなスカ風アレンジになった“CHARGE”は初見のお客さんをも軽快に揺らしまくってぐいぐい会場の温度を上げていた。
さらに新曲も“熱”“結晶”“青夜”そしてこのステージのために作ったという“マリー”と次々に披露。
どれも彼女の歌と音楽だから表現できる「心の体温」をよりはっきりと感じさせる曲だ。
『Telescope』『アサガタノユメ』、それぞれのタイミングでインタヴューした時に感じた彼女の人間的魅力がステージからダイレクトに伝わるようになったのが何といっても嬉しかった。
終演後、客席からの声援に「ありがとうございます!」と何度も応えつつ、やはり動揺していたのか、はける方向を間違えていたのには笑ってしまったが。(古河)