震災以降、どこか宙に浮いてしまったロックミュージックという表現に新たな肉体を与えること。普通なら目を背けたくなるようなそんな大きなクエスチョンに真正面から挑んでいるのが今のアジカンだ。
そしてその答は、7人編成に変貌を遂げた今夜の彼らのパフォーマンスから滲み出ていた「誠実さ」と「情熱」にあると思う。
ピュアなエモーションこそが、この時代に物語を綴る為には必要なんだーー今のアジカンには、そんな確信にたどり着いた晴れやかさと決意が漲っているように思う。だからなのか、そのサウンドはどこまでも等身大で、優しくて、拓かれている。あまりにも誠実に、心の核に響いてきた。
今こそ、アジカンのロックが僕らには必要だ。そう思わせてくれる、素晴らしいライヴだった。(塩澤)