昨日は、Kalafina@中野サンプラザ。
Kalafinaのライヴはこれまでに何度観たのか覚えていないくらい観ているが、「ベスト」と感じさせられるパフォーマンスを見せてくれた。
複雑なコーラスワークを三者三様の声とアプローチで見事にかたちにしていくのがKalafinaのライヴ。
その意味では、毎回目の前でマジックが起きているような時間を提供してくれるが、今回はそれでいて、ものすごく「楽し」かった。
ざっくり言うと、聞かせ方を熟知している3人が、見せ方を極めつつあるようなイメージだ。
まるで水面を滑っていく白鳥のように涼しげなのだ。優雅で、当然美しく、ゆとりがある。
しかし、目の前で起こっているハーモニーの応酬だけを切り抜けば、鬼気迫る迫力と、わずかな揺らぎすら許されないというプレッシャーがひしひしと伝わってくる。
研ぎ澄まされた集中力とそれが生む構築美、どこまでも広がるハーモニーの心地よさ。
おかしな言い方になるが、人間が行う行為として極めて高貴だと思った。
Kalafinaが目指してきた表現は、いよいよ「完璧」と言っていいのではないだろうか。
デビュー5年を経て、3人はその領域に突入している。
JAPAN読者には馴染みがないグループかもしれない。
しかし、ポップミュージックの魔法に魅せられた経験が一度でもあるリスナーにとって、絶対に見逃すべきではない存在だと思う。
このツアーはまだまだ続く。どこかで出会ってもらいたい。本当にそう思います。(小柳)