今日は、RADWIMPSのニューシングル『五月の蝿／ラストバージン』発売。

1ヶ月前、宮城で観た「青とメメメ」の野外ライヴの帰り道、高速バスの中でストリーミングを聴いた”五月の蝿”の衝撃は凄まじかった。
一言ずつ、脳を突き刺してくるような憎悪の言葉が、どれも涙を流しているような切実さで、ポップなメロディと穏やかなアレンジの楽曲に乗せられていた。

僕らが生きている世界において、音楽は自由だし、言論表現も自由だ。でも、それは他の誰かの自由を殺すものであってはならない。この曲はひょっとして、聴いた人の心の中の何かを殺したり、脅かしたりしてしまうのではないか。最初はそう思って、何度も聴いた。そしてわかったのは、これは僕らの中にある、誰かを傷つけてしまう寸前の、ギリギリの感情を肯定するものだということだった。それは多くの場合、愛情が裏返って生まれた失望や執着が、憎悪に発展したものだ。愛情が純粋であればあるほど、その攻撃性は強くなってしまう。

心のなかにどういう気持ちを抱き、どういう欲望を感じるかを、人は自分で選ぶことが出来ない。
もちろん、その欲望にただ従って行動するのは自由ではない。
どうしようもなく不条理な欲望を自分の中に認めながら、その上でどう行動するかを、人間は長い歴史の中で倫理と呼んできたのだ。
だからこそ、こういう欲望の形もあるということを、きっぱりと提示してきたRADWIMPSの勇気を、僕は尊いものだと思った。
ぜひ多くの人に聴いてみてほしい。もちろん”ラストバージン”、そして味噌汁's名義の”にっぽんぽん”も必聴だ。


そして今日は21時から、Ustreamの生放送でバンドからのメッセージが語られるという。
http://www.ustream.tv/channel/radwimps10162100


ちなみに発売中のJAPAN11月号には、「青とメメメ」の徹底レポートを掲載中！（松村）