Mr.Children「未完」ツアー、東京ドームには深く正しい感動があった

Mr.Children「未完」ツアー、東京ドームには深く正しい感動があった
Mr.Children「未完」ツアー、東京ドーム。
そうか、そういうことかーーというライヴ。
今のミスチルの多くを伝える3時間だった。

たくさんの楽曲がそれこそ足跡をたどるように披露されたが、時間を重ねあらためて感じたのは、なんと実直なバンドであり、ソングライターなのだろうということだ。

パーソナルなため息のようなラブソングから、時代の軋みを代弁するような大きなメッセージソング、あるいはバンドのグルーヴを確かめるようにシンプルに鳴らされる最新楽曲まで、ミスチルの曲にはその時々の4人の実感が込められている。
日本を代表するヒットメーカーであるミスチルをして、「4人だけの実感」という言い方は違和感を与えてしまうかもしれないが、少なくともライヴでのミスチルは曲には込められた、ひとつひとつの動機を絶対に隠さない。
それが東京ドームという巨大な空間においてなお、曲と言葉がダイレクトに刺さってくる理由のひとつなのだと思う。

その意味で言うと、今の4人は、とてもパーソナルな、日々のなかに転がっているようなかすかな希望とファンタジーを示そうとしている。
そういうとても実直なライヴだった。
そして、デビューから23年を数えた押しも押されもせぬトップバンドが今、そんな実直に導かれ、4人で一歩ずつ歩いて行くその姿勢を「未完」と名付けたーーそのことが何より感動的だった。

ツアーのタイトルで総括してしまいたいわけではないが、「未完」ツアーにはまさに「未完」であることで先に進もうとするミスチルがいる。
ツアーはまだ折り返し点だ。本当に、素晴らしいツアーになるはずだ。

次は日産スタジアムに行く。
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