無数の代表曲を惜しみなく演奏し、ひとりひとりのプレイヤビリティとスキルを総動員し、構築に構築を重ねた音楽世界の真髄を見せるライブ。
ラルク アン シエルのロックはまさにひとつの最高峰と呼ぶべきものだろう。
常に王道を進みながら、4人のプレイヤーにできる可能性を錬金術のように編み出してきたロックバンドの到達点を感じさせるライブだった。
繊細なガラス細工のような美しさを閉じ込めたまま、この規模の会場をひとつにまとめ上げるような巨大な力を曲に与えることができるバンドに、僕たちはこれから何度出会うことができるのだろう。
hydeは「25年を振り返ると、ずっと理想を追いかけていたような気がする」と話していたが、
その言葉を借りるならば、4人という人数で、ギターとベースとドラムと歌というピースで生み出すことのできる理想の音像に挑み続けてきた歳月だったのだと思う。
そんな実直なロックバンドによる記念すべき東京ドーム公演は、あまりにも実直に、ギターとベースとドラムと歌だけで作り上げられていたライブだった。
本当に4つの音だけで組み上げられた無限の、奇跡のような理想の音楽。
それがラルク アン シエルがたどり着いた地平なのだと思う。
大袈裟でなく、ラルク アン シエルが見せてくれるこの美しさとしなやかさ、そして夢の中にいるようなとしか形容のしようのないこの眩さは圧倒的に無二だ。
なんという価値のあるものを観ているのだろうと、3時間半のライブの間、ずっと感じていた。
そして、バンドというフォーマットが持つ素晴らしい可能性にあらためて感動を覚えた。
今さら言うまでもないが、文句なしに素晴らしいアニバーサリーライブだった。
L'Arc〜en〜Ciel、25th L'Anniversary LIVE。東京ドーム2日目を観て思ったこと
2017.04.09 20:45