最近観た/聴いた新人アーティストのご紹介。
1)まずは何と言ってもFKA Twigs。年間リストにももれなく入っている彼女。今年観た新人の中でも……というか全部合わせても一番のチケット争奪戦が繰り広げたライブだったのではないかと思う。NYではキャパ3000人の会場で2日間のライブ。定価が20ドルのチケットが即完売で、ダフ屋サイトでは200ドル近くにまでなっていたのだ。正に今観るべきアクトだった。
マーキュリー賞をもらった直後だったし、もしかしたらライブの直前にロバート・パティンソンと付き合っているのが発覚したのも大きかったのだろうか? 関係者席に行ったらやっぱりパティンソンがいた(笑)。一般的には彼女は最近"パティンソンの彼女"で通っているようだけど、個人的にはむしろパティンソンずいぶん趣味が良いではないか、と思う。
ライブは、何より「私はみんなとは違うのよ!」という彼女の強い意志を主張するような内容。
ダークでムーディなライトの中、親密で、セクシーで、ドラマチックな彼女の世界観を思う存分に披露する素晴らしいライブだった。ミニマルかつ未来的なビートとサンプルの中で、ダンスによっても、エモーションを表現する。そのスローなテンポにも、単にモダンとかエキゾチックとも括れない個性的なダンスにも、ちょいギークで、ダークで、アウトサイダー的な、彼女の主張が光る。まだ完璧に彼女の表現したいことがステージ上で活かされていないと思える曲もあったけど、"Two Weeks"、"Video Girl"などでのカリスマ性はピカイチで、会場の熱気と言ったらなかった。全体的にも、もうこの瞬間だけを待っていました!という盛り上がり方だった。
「私の見た目はアニメのキャラみたいに見えるかもしれないけど、自分の中では自分を戦士のように思っているの。アフリカの部族にいる女性の母なる大地か、または未開の熱帯雨林を守る戦士」とローリング・ストーン誌で語っていたけど、これからもその強さで突き進んで欲しい。最近では、パティンソンと付き合っているせいで、パパラッチが悩みの種だけど、「それを克服しても付き合う価値のある人」と堂々発言したりしていて、カッコ良い(&敵も作りそう)。
ステージでも披露していたダンスが堪能できるのは、実はこの"Video Girl"が使われたグーグルグラスのコマーシャル。
2)次は、CMJで話題になっていたRyn Weaver。
例えばフローレンス+ザ・マシーン後、アーティな女性シンガーブームに乗って出て来ただけのアーティストか思いきや、そのハイプに負けない思いきりパンチのあるパフォーマンスを披露してびっくり。しかも、「数年前にここでパフォーマンスをしてステージを降りた後に、自分をあまりに見失っていることに気付いて、一からやり直すためにNYを離れたの。そんな自分が今日ここに立ててこうして歌えていることにも感激している」というようなエピソードを披露してくれたのも、ちょっとぐっと来た。今後の成長にも期待。
"OctaHate"のビデオはこちら。
3)次はウィル・スミスの娘Willow Smith。CMJのパフォーマンスが話題になっていた。FKA Twigsとは違う意味で"ウィル・スミスの娘"という看板をすでに取っ払う勢いの自己主張が素晴らしいパフォーマンスだった。まだ14才というのが信じられない。最近ではNYタイムズに掲載されたカッとんだインタビューも話題になっていた。
CMJのパフォーマンス映像はこちら。
"Whip My Hair"
https://www.youtube.com/watch?v=WD1WS7SYwsM
兄と共演の"5"
https://www.youtube.com/watch?v=Hg2yFj96ZMQ
4)最後はDart Party。
強烈な個性の女性3人が続いたので最後は地元NYで人気のアーティスト。Nu-discoとも言われる、エッジのあるディスコ/ハウスサウンドで人気。グリッターだけど、永遠に聴いていたいような心地良さがポイントか。主張の強い上の女性3人とも逆で、するすると耳に入ってくるのも良い。年末年始にこのサイトで聴き続けるのもお勧め。
"Going My Way"はこちら。
https://soundcloud.com/dartparty/going-my-way
Dart PartyのSoundCloudはこちら。
https://soundcloud.com/dartparty
今年一のチケット争奪戦FKA Twigsから、Ryn Weaver、Willow Smith、Dart Partyなど最近観た/聴いた新人
2014.12.03 10:40