レナード・コーエンが、“So Long Marianne”のミューズが亡くなる前日に出した手紙があまりに感動的(涙)。新作も絶賛されている
2016.10.24 12:19
レナード・コーエンの一番知られている曲と言えば、“ハレルヤ”だが、それに次ぐ名曲のひとつであり人気があるのは“So Long Marianne”。コーエンは実際Marianneという女性と付き合っていて、彼女は彼の作品のミューズでもあった。“Bird on the Wire”や、“Hey, That's No Way to Say Goodbye”なども、彼女について歌った曲だ。
その彼女が、最近癌で亡くなった。コーエンは彼女とずっと連絡を取り合っていたそうなのだが、癌になったことをコーエンには言わなかったそうだ。コーエンは、彼女の友人から彼女が癌になったと知らされてすぐに手紙を書き、なんとそれが彼女が亡くなる前日に届いたそう。その内容があまりに感動的だったため、友人が紹介したいと言って発表され、それが少し前ネット上で超話題となっていた。
http://www.rollingstone.com/music/news/leonard-cohen-pens-final-letter-to-so-long-marianne-muse-w433144
以下、コーエンが書いた手紙。読んでいて涙が出そうになるのだけど、私の訳が上手くないのが申し訳ない。上で英文を読んでみて欲しい。
「マリアンヌ、とうとうこの時が来てしまったね。僕らは本当に年を取り、体もボロボロになってきた。だから僕も君を追いかけてすぐに行くから。
知っておいて。僕も君のすぐ後ろにいると。だから君が手を伸ばせば僕の手に届くから。
君があまりに美しくて、あまりに知性があるから、僕がいつだって君を愛していたことは知っているよね。
それ以上は言わなくても、もう分かってくれていると思うんだ。
だから、今言っておきたいのは、良い旅をしてください、ということだけ。
さよなら古き友よ。そちらに行ったらまた会おう」
そしてこの手紙を出した2日後にコーエンにeメールが届いたという。
「レナード様
マリアンヌは、昨日の夜、ゆっくりと眠る様に息を引き取りました。
すごく安らかに、親しい友達に囲まれて。
あなたの手紙が届いた時、彼女はまだ話ができたし、意識もはっきりしていて笑うこともできました。
私達があなたの手紙を声に出して読んだ時、マリアンヌは彼女だけの、あの素敵な笑みを浮かべました。
そして、『僕は君のすぐ後ろにいる。君が手を伸ばせば僕の手に届く』と言ったところで、手を伸ばしていました。
あなたが彼女の健康状態を知ってくれたことは、彼女に心の平穏を与えました。
あなたからの恵みが、彼女を強くしてくれました。
私は、彼女が亡くなる直前に “Bird on the Wire”を歌いました。
そして彼女が魂となって窓から新たな旅に出発した時、私は彼女の頭にキスをして、最後にこうささやきました。
So Long, Marianne.... 」
コーエンは、彼女と8年間付き合っていたそうで、彼女の写真は、セカンド・アルバムのジャケットの裏などにも掲載されている。
コーエンの最新作『ユー・ウォント・イット・ダーカー』はアメリカで発売されたばかりだが、様々なメディアで絶賛されている。
各誌のレビューを平均するMetacriticなどでも現在平均92点。
http://www.metacritic.com/music/you-want-it-darker/leonard-cohen
「これまでで最もダークと言える作品で死を見つめながらも、これまでのようにそれをまるで素敵な女性に声を掛けるように歌ってみせる色気がある。しかもスピリチュアルという意味で、あまりに美しい」というのが総評か。つまりコーエンらしい作品ではあるのだが、あまりに力強い内容だということ。
新曲の“ユー・ウォント・イット・ダーカー”はこちら。
また、今回初めて息子さんのアダムがプロデュースしたことで、サウンドのクオリティが高くなり、コーエンの声がこれまで以上に美しくレコーディングされていることも、高く評価されている。
11月1日発売の『ロッキング・オン』12月号コレポンのページでも、記者会見の内容を紹介します。
日本盤は10月26日発売。詳細はこちら。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/LeonardCohen/