ファレルが全曲書き下ろし+プロデュースしたNASAを舞台にした実話にして超良い話『ヒドゥン・フィギュアズ』が『ローグ・ワン』も『ラ・ラ・ランド』も抜いて2週連続1位
2017.01.17 21:11
ゴールデン・グローブ賞が発表されたばかりで、これからオスカーのノミネーションも発表されるということで、映画館は大変盛り上がっている時期だが、そんな時に、ファレルがサントラを全曲書き下ろし、映画のプロデューサーも務めている映画『ヒドゥン・フィギュアズ』が2週連続で興行成績1位を獲得している。
ゴールデン・グローブ賞で史上最多の7部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』も、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』も、興行成績としては非常に良い結果を出しているので、『ヒドゥン・フィギュアズ』はとりわけ人気があるということだろう。
この作品は、1960年代のNASAを舞台にした実話で、めちゃくちゃ良い話なのだ。が、これまで一度も語られてこなかったというのだ。
まだ黒人差別が顕著な時代にNASAで働いてたアフリカ系アメリカ人の女性数学者3人が主人公の物語。演じるのは、『Empire成功の代償』で脚光を浴びているタラジ・P・ハンソンと、ジャネール・モネイと、オクタヴィア・スペンサー。
NASA内でも、黒人用と白人用にトイレが分かれ、バスも黒人の席が別になっている時代だったが、彼女達があまりに頭脳明晰で、NASA内の他のスタッフでは解けない数式を解いたり、導入したばかりのコンピューターの使い方が分かったり、ロケットのエンジニリングを理解していたため、どうしても彼女達の力を使わずには、1962年に打ち上げたロケットを帰還させることができなかったという物語なのだ。
人種差別について考えさせられるとともに、それを実力のみで切り拓いていった彼女達の態度が、あまりに素晴らしくて、思いきりポジティヴなエネルギーをもらえる作品だ。それが、この映画が大衆に受けている理由だと思う。
ただ、誰にでも伝わりやすい、わかりやすい映画であると同時に、個人的には、監督の作家性が弱いようにも感じる。もう少し良い監督だったらもっと良い映画になり得たのに……とも思うのだ。しかし、それでも、この物語を誰もが知るべきだと思うし、ひとりでも多くの人が観るべきだし、観てもらいたい作品なのだ。
ファレルは、今作のサントラも全曲書き下ろしで手がけている。彼のポップなサウンドがこの映画の元気をもらえる内容にものすごくマッチしている。
昨年のトロント映画祭ではライブも行った。映像が公開されている。こちら。
“Runnin’”
“Crave”
%https://www.youtube.com/watch?v=Q69F6—vyGw%
“Able”
こちら映画の予告編。
週末の興行成績はこちら。
http://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/