去年インタビューした際に去年中にEPをもう1枚発表して、『Not the Acutual Events』と、『Add Violence』に続く3部作として完成させたい、と言っていたトレント・レズナー。
なんと、EPではなくて、6曲入りのLPが完成したようだ。
タイトルは『Bad Witch』で6月22日に発売される。すでにジャケ写もトラックリストも公開されていて、予約も開始している。こちら。
https://store.nin.com/collections/music
トラックリスト
01. SHIT MIRROR
02. AHEAD OF OURSELVES
03. PLAY THE GODDAMNED PART
04. GOD BREAK DOWN THE DOOR
05. I'M NOT FROM THIS WORLD
06. OVER AND OUT
ジャケットを見る限りでは、去年のフェスで観た時に感じた、パンク・サウンドを彷彿とさせるようなものになっているような気がする。また、アートワークもローテクだ。フェスの時に、昨今ハイテクなスクリーンや照明ばかりが流行っているから、俺たちはわざわざその逆をいくと言っていたのとも重なる。
それに“WITCH”という言葉も良い。アメリカ大統領が自分に対する捜査について、いつも“WITCH HUNT”(魔女狩り)だ、と繰り返しているので。
アナログの予約開始に関しても、「バイナルミッションステイトメント」を掲げているのが、面白い。
過去のEPも、デジタルで買っても「人間と同じでフィジカルで存在する必要がある」と言って、わざわざブックレットを一緒に送ってきたこだわりのNINだが、今回はそれをさらに突き進めようというものだ。「フィジカルで俺たちと一緒に存在することに、マジックがあると信じている」と掲げられている。
トレント・レズナーがアナログ盤を買って欲しいと思う思う理由も書かれていて、それがとりわけカッコ良くてグッとくる。
「デジタル・フォーマットやストリーミングは良いと思うし、ものすごく便利だ。だけど、リスナーに俺の音楽を体験してもらう理想的な方法と言ったら、まず最高のヘッドフォンを持ち、アナログ盤と向き合う。そこに針を落として、ジャケットを手にして、アートワークを見ながら(ファッキング携帯は消して)、俺と一緒に旅に出て欲しいんだ」。
素敵。
フィジカルにとことん拘るトレントは、なんと、今回発表した全米ツアーのチケットも思い切り“ラジカル”な方法で発売すると発表。なんと会場のボックスオフィスに行って、人から買えと言うのだ!!
それに対する逐一な説明もある。
HTTP://WWW.NIN.COM/TICKETS2018/
理由
コンピューターやインターネットは、人を結びつけるにあたり、多くの点で失敗した。とりわけ、チケットの販売についてはそうだ。現状では、良い思いをするのはダフ屋だけ、となっている。だから俺達は今回は違う方法で発売したいと思う。いつもそうだが、それでも必ず文句を言うやつは出てくることは承知だが。
方法
君(人間)が、ボックスオフィスに行き、チケットの販売人(人間)と話し、1人につき4枚までのチケットを購入できる。その場で、本当のチケットが手に渡される。
それで余った場合は、ネットで発売されると言うのだ。実際トレントの言うように、チケットの平均価格は高騰し、とりわけボット(人間じゃない)で買われたチケットが問題となっている。NYでは禁止になっているはずだが、どう考えても人間が買ったと思えない早さでチケットがなくなることがある。
これまでも最新のテクノロジーと音楽と向き合い、音楽シーンのご意見番となってきた感のあるトレント・レズナー。そんな世界と再び戦ってくれている。頼もしい。ただ、実際は並びに行けるのか分からなくてかなり不安でもあるのだが。
あ、大事なことを言い忘れた。このツアーの前座は、なんとジーザス&メリー・チェインだ!!つまり、実際にボックスオフィスに並んでチケットを買っていた世代にとっては、絶対頑張って並ぼうと言う気にさせてくれる面子でもある。
“COLD AND BLACK AND INFINITE”と題された北米ツアーは、9月に開始し、12月まで続く。
その直前の8月17日には、ソニックマニアに出演する。北米ツアーの内容が先取りできるようなライブになるのでは?? 新作が演奏される可能性も大だと思う。羨ましい!!!