コール&レスポンスあり! ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデのパフォーマンスに感涙。英政府はモッシュが安全かの実験。米英のライブ最新事情

コール&レスポンスあり!  ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデのパフォーマンスに感涙。英政府はモッシュが安全かの実験。米英のライブ最新事情

5月27日にアメリカで行われた『iHeartRadio Music Awards』にて、ザ・ウィークエンドアリアナ・グランデが”Save Your Tears”で共演。


これはアメリカの屋内で行われた大規模なイベントとしてはコロナウイルスの感染拡大後初めて、観客が声を出してもよくて、コール&レスポンスもありで、大合唱もOKだった。ずっとポーカーフェイスだったザ・ウィークエンドの笑顔がとうとう本物になっているし、アリアナ・グランデが登場した瞬間の観客の歓声と言ったらない。アリアナがマスクなしで披露するファルセットの美しさも最高。

最後に2人が肘じゃなくて、ハグしてるというのも含め何から何まで感涙だ。少し前は不可能だったことばかり。

ちなみに、アリアナ・グランデはこのパフォーマンス直前の5月15日に結婚したばかり。おめでとうございます!


またこのアワーズは、マスクあり、ソーシャル・ディスタンスなしのイベントでもあった。観客は、全員ワクチン接種済み、検査済みの医療関係者で、チケット発売はなし。招待客のみで行われた。アメリカのライブ事情が日々着実に前進している。

イベント主催者が、安全に実現するための準備をVariety誌に語っている。
https://variety.com/2021/music/news/iheartradio-music-awards-audience-john-sykes-1234970410/

彼らはこの前に『ロックの殿堂入り授賞式』と、『VAX LIVE』も手掛けていた。インタビューによると、「バーチャルで開催するのではなくて、観客を呼べるようになるまで待つ」決断をしたのだそう。というのも、これまでバーチャルで行われたTV放送は視聴率が低かったし、観客がいるというエネルギーこそがより良いパフォーマンスに繋がり、より良いTV番組になると思ったからと。

幸運なことに1ヶ月前、開催地の地元カリフォルニア州とロサンゼルス郡が、観客を屋内に入れて安全にイベントを行うための規定を設定した。それに従い、さらにアーティスト、観客、スタッフが安全に感じられるイベントにするために、州や郡の規定を自分たちで強化。運営スタッフは毎日検査を行ったそう。

「このイベントは、アメリカにエンターテインメントが復活するのを見せる良い機会となるばかりか、自分たちの命を毎日危険に晒しながら働いてくれた医療関係者へお礼を言う良い機会でもあると思った」と。

観客が声を出して良いイベントはこの前にGlobal Citizenが主催した『VAX LIVE』もあったが、あれは屋外イベントだった。あの時も医療関係者のみが招待された。


その他、アメリカ、イギリスのライブ最新事情。

1)いったんキャンセルされたイギリス最大のロック・フェス、ダウンロード・フェスがモッシュ実験のため急遽開催に

イギリス政府が、国民が安全にエンタメに戻っていけるように実験をしていることは前も書いたけど。
https://rockinon.com/blog/nakamura/198768

着実に成果が上がっているので、今度はなんとモッシュが安全かの実験をすることになった。ガーディアン紙が報じている。
https://www.theguardian.com/music/2021/may/26/download-pilot-festival-donington-park


これはイギリス最大のロック・フェス、ダウンロード・フェスで行うそう。今年はすでにキャンセルとなっていたが、急遽6月18~20日に開催することになった。

ただし通常は8万人が集まるフェスを1万人に制限して行う。入場するためには、検査の陰性結果が必要で、フェスが終わった後も検査結果を提出することが義務付けられている。

実験されるポイントは以下。

ー1万人参加
ー検査結果陰性者のみ入場可&終了後は検査結果提出
ー屋外
ー期間中観客はキャンプをする!
ーマスクなし
ーソーシャル・ディスタンスなし
ーモッシュあり!

これが成功すれば、通常のフェス復活の可能性が大きく広がる。

2)ファットボーイ・スリム、ブロッサムズなどが出演したリヴァプール屋外イベントの結果発表

このプロモーターは、前回リヴァプールで行われたフェスなどの実験も行っている。
市の衛生局によると、「リヴァプールのイベントでウイルス拡大は見られなかったので、間違いなく成功だった」との結論を出している。

ー1万3258人参加
ー会場入場時に検査し陰性者のみ参加可&イベント後に検査結果提出
ー屋外
ーマスクなし
ーソーシャル・ディスタンスなし
ーイベントで陽性になった人4人。7人がイベントから5日後以降に陽性。イベントで感染しなかった可能性も大。

実験を行ったリヴァプール大学教授は、「イベント主催者、地元衛生局、イベント参加者が、協力し合うことが成功の鍵」としている。

また今回の結果で学んだことは、
「コロナの症状に該当しなくても、少しでも具合が悪い人は、絶対イベントに参加してはいけない。
巨大なスペースであっても、屋内の場合は換気を最大限にすること。
イベント後のPCR検査の結果を必ず提出してもらうこと(提出しなかった人たちもいたよう)。
ライブの行われる1日前までに検査が陰性だった人のみにチケットが発行されるシステムを自動化すること」
と語っている。

さらに「陽性者が出た場合の追跡を迅速に行うこと。イベント再開は複雑なので、慎重に行うこと。まだまだ学ぶべきことはあるが、研究を重ねて安全にイベントの再開をしたい」と語っている。

3)ブリット・アワーズは屋内開催で感染者ゼロだった


同じ研究チームが、先日行われたブリット・アワーズでも実験をしていた。

ー4000人参加で主に医療関係者
ー入口で検査陰性者のみ入場可
ー屋内
ーマスクなし
ーソーシャル・ディスタンスなし

ブリット・アワーズはイギリスでは行われた屋内イベントとしてはコロナ感染拡大後初の大規模なものだった。そして、その実験結果は、なんと感染者がゼロだった!と発表されている。

4)イギリス全体での実験結果は、5万8000人で陽性になった人は15人だった

この研究チームは、その他のライブ・イベント、ビジネス・イベント、ウェンブリー・スタジアムでのサッカーなどでも実験を行っていて、これまで計5万8000人が実験の対象となった。

うち、陽性になった人は15人だった、と担当大臣が発表している。現時点では研究結果は成功しているので、「6月21日にはウェストエンド(シアター地区)も100%のキャパシティでオープンしたい」と語っている。
https://www.standard.co.uk/news/uk/liverpool-elton-john-evening-standard-wembley-stadium-people-b937144.html

イギリスでは現在、リアム・ギャラガーがヘッドライナーのフェスなどが発表されている。
8月27~29日 Reading/LEEDS


9月16~19日 Isle of Weight fest


5)アメリカはワクチン接種済みなら18ドル、してない人は1000ドルのチケットも発売

アメリカはイギリスのように実験をしていないが、ワクチン接種率が高いこともあり、基本どのイベントやフェスも開催前24時間以内に検査をして陰性か、ワクチン接種をした人のみが会場に入れるシステムを導入している。NY州はこういうイベントで使えるように、ワクチン接種済みを証明するアプリを作っている。

開催が早めの大きいフェスは、マイアミのRolling Loudだ。7月23~25日開催。エイサップ・ロッキー、トラヴィス・スコット、ポスト・マローンがヘッドライナー。


現時点では、コーチェラを除いたアメリカの巨大フェスが9月以降に今年はほぼ全部戻ってくる。ヘッドラインは、フー・ファイターズビリー・アイリッシュが多い。NINが、メンツが偏ったフェスでいくつかヘッドラインをしたりする。

7月29日~8月1日 Lollapalooza


9月2日~5日 Bonnaroo


9月4日、5日 MADE IN AMERICA

9月10日~12日 Pitchfork Music Festival


9月17日~19日 Life Is Beautiful


9月17日~19日 Riot Fest


9月23日~26日 Louder Than Life Fest

9月25日~26日 The Governors Ball


10月1日~3日&8日~10日 ACL
10月29日~31日 Outside Lands
11月11日~14日 Rock Ville Fest

また最近では、パンク・バンドのティーンエイジ・ボトルロケットが、ワクチン接種を促すために、ワクチンを接種していればチケット代18ドル、してなかったら999.99ドルでチケットを発売した。批判も含めて話題となった。
https://leadfootpromotions.limitedrun.com/shows/16817-teenage-bottlerocket-makewar-rutterkin-closely-read-description-about-discounted-tickets

NY市は、若者にワクチン接種をしてもらうために、ワクチンを接種すれば、ビリー・アイリッシュがヘッドラインのNYフェスのチケットが当たる、という企画も行っている。


またNY州知事は、ワクチンを接種した人のみであれば、屋内の会場をキャパ100%にして良いと発表。ラジオ・シティ・ミュージック・ホールは、早速6月19日のトライベッカ映画祭でワクチン接種者のみでキャパ100%のイベントを開催する。


ビリー・アイリッシュといえば、彼女やザ・ウィークエンド、ジャスティン・ビーバーなど2万人規模の単独ツアーの再開は来年がほとんどだ。ビリーのチケットも発売となり即完していた。

アメリカは、今年は1万人以下の小規模会場での単独ツアーか、フェス。来年は大物アーティストのツアー、というのが大まかなライブ再開計画となっている。


ちなみに、現時点での人口に対してのワクチン接種率は(5月31日現在)、

イギリス:58.0%
アメリカ:50.7%
世界:10.8%
日本:7.7%



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