ビリー・アイリッシュが8月にコロナ感染していたと告白。「ワクチン摂取していなかったら死んでいた」と。新ヘアカラーでパフォーマンスも披露。


ビリー・アイリッシュが、週末に米人気TV番組『サタデー・ナイト・ライブ』の今年最後の回に出演。歌のゲストだけでなく、ホストも務めて、コメディも披露した。

パフォーマンスの映像はこちら。

“Happier Than Ever”

“Male Fantasy”

これはアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』の最後を飾る2曲。
アルバムは、カタルシスのある”Happier Than Ever”で十分終われたと思うし、実際最近のライブではそれが最後の曲で、感動の盛り上がりを観せる。しかし、彼女曰く、「怒りのままでアルバムを終わらせなかった」と”Male Fantasy”を書いた。最後に彼女の本音が出ているのが、このアルバムの良いところでもある。

最近このMVを自分で監督、編集しているが、これまでになくありきたりな風景なのも、それが理由だと思う。傷心で家の中をぐるぐるしているだけの、誰もが経験したことのあるような映像になっている。床に座っているこの日のパフォーマンスも、それを反映していると思う。

オープニングのモノローグでは、「両親も兄も俳優だったから、本当は自分も俳優になるのが夢だった。だけど、その夢が9歳の時に死んだ」と言っている。理由は母が自伝映画を作って、息子の役でフィニアスをキャストしたのに、娘はいない設定だったから(笑)、と。
https://youtu.be/XIQtOverBNs

またコントでフィニアスも出てきた場面があり、確かに堂々としてて上手かった。

その他のコント

また最後には、オフホワイトのマスクをして、ヴァージル・アブローの追悼をしていた。

この番組の後に、衛星ラジオ『The Howard Stern Show』にフィニアスと出演。

ローリング・ストーン誌が、この番組の中でビリーが、今年の8月にコロナ感染したと告白したとレポートしている。
「もしワクチン接種をしていなかったら死んでいた」と語っていると。

「症状はすごく酷かった。死ななかったし、死なないと分かっていたけど、でも最悪だった。本当に最悪だった」

ビリーはワクチン接種は2回終えていたものの8月に感染。それから2ヶ月間は体調がすぐれなかったそうだ。

「はっきり言っておきたいのは、ワクチン接種していたから死ななかったってこと。もしワクチン接種していなかったら、死んでいたと思う。それほど最悪だった。それに、私としては最悪だったけど、それでもコロナの症状としては、酷い方ではなかった。つまり、最悪だったと言っても、『ヤバイ、ワクチンが効かないから、このままじゃコロナで死ぬ』というものだったわけではなくて、ワクチンはファキング最高だったということ」

「それにワクチンのおかげで、フィニアスも、両親も、私から感染せずに救われた。友達も私から感染せずに救われた」

とにかく治って良かった。

ビリーは、年末も忙しく活動。以下その中から主なものを紹介。

1)何より驚いたのが、ブロンドにしたばかりだったのに、また髪を染めたこと。

2)香水”EILISH”も発売。これはすぐに売り切れたけど、海外からの注文は来年受け付けると言っていたので、香水のサイトのメールリストに登録しておくのが良いと思う。

3)グッチとコラボで限定アナログを発売。このアナログ盤は、売れ残ったアナログを溶かして再利用で作っている。なので1枚1枚微妙に色が違う。日本のグッチでも発売したけど、もう売り切れたかな。

4)Vanity Fairが行っている毎年同じ日に同じ質問に答える企画を公開。

a. 2021年に、キャリアで達成した大きなこと、という質問がある。グラミー賞をさらに2個受賞したこと、ドキュメンタリー映画を公開、本を発売したことなど語っているけど、中でも一番大きかったのは、METガラでオスカー・デ・ラ・レンタのドレスを着たことと言っている。

理由は、その時、最初に、今後一切毛皮を使わないと約束してくれたらオスカー・デ・ラ・レンタのドレスを着たいと言い、彼らが約束してくれたから、と。環境のためにいつも活動しているビリーらしい。その他のブランドも毛皮を使わないようにして欲しいと訴えている。

b, さらに前回は一番好きなアーティストは、アーロ・パークスと答えているけど、今回は、The Døと答えている。音楽への視点を完璧に変えた、と。『ハピアー・ザン・エヴァー』を作った際にずっと聴いていたそう。人生を変えたと。

c. 好きな映画は、毎年『フルートベール駅で』だったのに、今年異変が起きている。フィニアスが空港で観せてくれた『I Origins』がかなり面白かったと語っている。

d. 最も怖かったことは?
「恋に落ちたこと」。

5)もう3枚目のアルバムを制作中。
フィニアスが最近自分のソロ作のために行ったローリング・ストーン誌のインタビューで、すでにビリーの3作目を作っていると語っている。まだどんな作品になるのか分からないけど、でも面白い骨組みができていると。
https://www.rollingstone.com/music/music-news/billie-eilish-finneas-third-album-happier-than-ever-follow-up-tour-1269351/

6)来年。
a. 1月31日グラミー賞発表。7部門でノミネートされている。

b. 2月8日オスカーノミネーション発表。”No Time To Die”が既に批評家賞などでノミネートされているので、間違いなくオスカーにもノミネートされると思う。”No Time To Die”と言えば、11月のレコード・ストア・デイに”No Time To Die"のデモ音源を発売している。

c. 世界ツアー
Vanity Fairのインタビューの中で、ライブで高台に乗った時に無敵に感じると語っているけど、今年はフェスなどでヘッドライナーを飾った彼女は、来年から単独ツアーを開始する!

2月3日からニューオーリンズで開始し、全米ツアーの後、ヨーロッパからオーストラリアまで。現時点では9月30日のパースまで決定している。

2020年は本来、日本にも来る予定だったので、今後の日本の受け入れ態勢が整ってなんとか来年後半には日本にも来て欲しい!!!

ビリーの最新作『ハピアー・ザン・エヴァー』は様々な年間ベスト・アルバム・リストに入り、現在69のリストを集めたサイトでは、20位に位置している。

来年もビリーを追いかけたい!



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