ロラパルーザ創設者ペリー・ファレルの名言「音楽フェスに集まった人は全員が勝者だ。そんな場所他にどこにもない。スポーツイベントなら誰か負ける」。確かに。

ロラパルーザ創設者ペリー・ファレルの名言「音楽フェスに集まった人は全員が勝者だ。そんな場所他にどこにもない。スポーツイベントなら誰か負ける」。確かに。 - pic by Mickey Pierre-Louis for Lollapalooza 2021pic by Mickey Pierre-Louis for Lollapalooza 2021

日本でもフジロックが無事開催されたが同週末には、アメリカではシカゴでロラパルーザが開催された。去年はコロナ後初めて開催され、30周年を祝ったが
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今年は、BTSのJ-Hopeが、韓国人アーティストとして初のメインステージヘッドライナーを飾ったことがフェス最大の目玉だった。

フェスはアメリカではHuluで中継されていたから観ていたけど、J-Hopeの前にフェスの創設者であるペリー・ファレルが出てきて、インタビューに答えていた。そこでさすが長年続いているフェスをやっているだけあり、良いことたくさん言っていた。そのうちのひとつが、

「音楽フェスというのは、こんなに色々なたくさんの人達が一堂に介し、その全員が楽しくて、全員が勝者である。そんな場所他にはどこにもない。スポーツイベントにも、大勢の人達が集まるけど、でも誰か必ず負ける。」。確かに。

それで本当にそれ以外に様々な人達が一堂に介して全員が楽しい場所ってないかと考えたけど、思いつかなかった。思い付きます?

ディズニーランドも来た人全員楽しいと思うけど、みんな一堂に介して一体感を味わってるわけじゃない。やはり、フェスは特殊なのだ。ペリー・ファレルはロラパルーザをスポーツイベントを行うように考えているとも言っていたけど、一体感という意味ではさらにその上ということになる。

J-Hopeの出演についても、韓国人で初のメインステージでのヘッドラインであることがすごく嬉しそうであるのとともに、自分のフェスは、変わり続けることが大事だと思っていると言っていた。ロラパルーザはすでにフェスとして頂点にいるので、自分達が変わり続けていかないと、あとは衰退するだけになってしまう、と。だから進化し続けていくことの責任も感じている。このフェスが進化し続けていることを証明するのが、例えばJ-Hopeなんだと嬉しそうに語っていた。

さらにこのフェスは、常に様々な人に来てもらう、全員が歓迎される場所であることを目指してきた。だから、J-Hopeはダイバーシティであることを象徴もしていると。世の中が分断されすぎているから、このフェスは、様々な国や考えの人達が集まれる場所で、団結を象徴することを心がけているとも。だから音楽は地球のためにもなると強調していた。

実際以前にも書いたけど、ロラパルーザは、巨大なフェスとしてどのフェスよりも、時代の変化に合わせて変わってきたし、変わって行くことを恐れずにむしろそれを探求しているのが分かるフェスだ。実際、オリジナルのフェスのラインアップを知っている人達にとっては今の姿は想像できていないと思う。

その他にもフェス論について非常に面白いことを語っていたのだけど、長くなるので後ひとつだけ。自分はどんな音楽も歓迎だという点について。

例えば、今世界的に言ってロックはヘッドラインを飾るのが非常に難しい状態になっていると言えるが、別にロックがいなくなったわけではなくて、若い良いバンドがたくさんいる。僕らは、そういう若いバンドで、新しいことをやっている人達に表現の場を提供できるフェスであり続けたい、と。


中継を見てたら、J-Hopeの観客数が凄かったので、裏のグリーン・デイは大丈夫かと心配になったけど、このフェスは1日の入場者が10万人なので2つに分かれても5万人はいる。空撮が写っていたいけど、問題なしというくらいの観客が集まっていた。

J-Hopeは、いきなりメインステージのトリをソロで務めたのに、その準備ができていたという見事なパフォーマンスだったことにまず感動したが、とりわけ始まりはダークな曲が目立っていて、いかにも今のポップシーンにありがちなサウンドだという気がまったくしなかったので、安全なことをやらずに、BTS同様に、ソロにおいてもポップ・シーンを前に進めようとしていると思いそれが最高だった。

その他デュア・リパなども出演。

また、J-Hopeの登場の前に、シカゴ市長とペリー・ファレルがステージに登場して、「J-Hopeが楽しみですか?」と大いに盛り上げたばかりか、この先10年も、シカゴ市がロラパルーザと同じ会場での開催の契約をしたと発表した。

市長がロラパルーザはシカゴ市に経済効果をもたらしていて、これから将来的のに40億ドルの経済効果があると予想されていると豪語。実際、この17年間で、調査によると20億ドルの経済効果をもたらされていて、去年だけでも、3億510万ドルの経済効果をもたらしたそうだ。つまり、それかける10年で計算したんだと思う。

ちなみに、ペリー・ファレルはPorno For Pyrosでステージに立ち、シカゴ出身のビリー・コーガンがゲストで出演。レッド・ツェッペリンの”When The Levee Breaks”をカバーした。この映像の38分くらいから始まる。
https://youtu.be/b9VPpsW598s

今年夏フェスに復活する方、どうか安全に最大限に楽しんでください



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