アメリカで間もなく『インセプション』のDVDが発売されます。相当売れるでしょうね。
というわけで、クリストファー・ノーランが、いくつかのインタビューに答えています。私が見つけたのは、エンターテイメント・ウィークリー誌と、
http://www.ew.com/ew/
『トロン』が表紙のWIRED誌。
http://www.wired.com/
WIREDは特に面白くて、ここはどういうことなのか、ああなのか、と思い切り仮説を立ててノーランに聞き、「いや違う」と、ほとんど却下され、そして最後に、じゃあ結論は?と聞くと「それは言えない」、と言われる生殺し状態(笑)。しかし、図式付きの解説があり、超読み応えあり!!今年の正月は、これを読みながら、DVDをじっくり見てみましょう。
抜粋してエンディングについてだけ紹介します。
1)何より知りたい最後にコマは止まったのか?
EWによると、それは、ノーランが「これまでの映画で最も聞かれた質問」なのだそう。そりゃそうだ。で、
ノーラン「面白いのは、みんな僕がまるでその答えを言うと思ってるところなんだよね」と……。
がーん、当然答えないのです。そりゃ答えるなら、描かれているだろう、つう話です。で、このDVDには、ノーランの解説はないのだそう。その代わり、トリビア的なものが、ぽよん、と吹き出しで出てくるそう。
2)それでは、実はこの映画は全部夢なのでは?という仮説について。
WIRED:子供が最後にようやく顔を見せるけど、子供達がまるで年を取っていないし、同じ服を着ていたので、これは全部が夢だったという証拠では!?
ノーラン:「子供達は最後に同じ服は着てない」。
WIRED:ええええ?
ノーラン:「しかも年を取っている。僕らは二組の子供達を使って撮影したんだ。ちなみに、若い方の男の子は、僕の息子なんだ。だけど、こちらを振り向くのは、僕の息子じゃない。それははっきりとしている」。「それを誤解している人達がたくさんいたようだけど」。「彼らは間違いなく似ているけど、でも同じじゃない。それは(DVDで)必ず見て欲しいところなんだ。なぜなら、すごく苦労して撮ったシーンだから。世界中で捜して、その二組で撮影したんだ」。
WIRED:あれっ?ということは、二組の子供は、最後だけが違う子供なのか、それとも、映画の別の場所でも、登場していたのかどちらですか?
ノーラン「それについては具体的には答えられない」。
WIRED:えっ(涙)。
ノーラン「僕があそこで描こうとしていたのは、人が、ビジュアライズできないものを、いかにビジュアライズするかについてだったんだ。人はそれを普通、思い出とイマジネーションと夢のコンビネーションによって行う」「子供の登場の仕方は、それと思い切り遊んでみた、ということなんだ」。
3)再び聞く。それでは、コマは最後に止まったのか?
ノーラン「あそこで一番重要なエモーショナルなことは、(コマは止まったか止まってないかということよりも)、コブはもうコマを見ていないということなんだ。つまり、彼はもうそれを気にしていないということ」。
WIRED:つまるところ、人それぞれが色々な解釈をできるように、あなたにも結局最後がどうなったのか『答えはない』ということですよね?
ノーラン「いや、答えはもちろんある」。
WIRED:ええええあるんですか?
ノーラン「もちろんだよ。僕は、もし映画の終わりを抽象的にするなら、それは、絶対に、ウソ偽りのない解釈を元にしたものでなければといけないと思っているから。そうじゃなかったら、矛盾してしまう。または、内容が薄くなったり、観客が騙された気持ちになると思うんだ。だから、自分の中に完璧なる答えがあった上で、主人公には、それを知る能力がないためそれが抽象的になり、だから観客もその主人公と同じ道を辿る、ということなんだ」。
WIRED:そんなあ……。
あれ、日本のDVD発売も12月7日のようです。取りあえずは、子供の服を確認してみましょう……。
ちなみに、ノーランによると、『インセプション』はTVゲームになるとのこと。続編はあるのかについては、ないとは言えないけど、具体的には考えていない、そう。また、『バッドマン』は3部作目で最終章だとも。
というわけで、私は今日は矢野顕子のライブとWARPAINTのライブをハシゴします!とっ散らかった組み合わせだけど、実は素晴らしい組み合わせのような気もします。それでは。
http://www.amazon.co.jp/インセプション-Blu-ray-DVDセット-プレミアムBOX-(初回限定生産)/dp/B003CN5VYM