ディカプも伝記ものでオスカーに挑んでいますが、ミッシェル・ウィリアムズは、なんと、世界の永遠のアイコン、マリリン・モンローでオスカーに挑戦。
マリリン・モンローを演じるというのは、女優として、これ以上ない危険な挑戦ではないかと思います。あれだけのアイコンにしてしかも女優。どんなに頑張って演じても、ほぼ全員が、全然似てない、と言う準備をして劇場に向うと思うからです。
しかし、これがミッシェル・ウィリアムズ、見事モンローになりきっているのです。そもそも、モンローと言ったら、まだスカーレット・ヨハンソンのほうが近いのでは思えるくらいで、ミッシェル・ウィリアムズには、これまでモンローのようなセクシーなイメージはほとんどなかったと思うのに。という驚きも含め評価したいところです。彼女が主演したこの映画『My Week with Marliyn』は、モンローが『王子と踊り子』の撮影でイギリスに行った時期だけに焦点が当てられています。その時、彼女と純粋な心の交流を交わした助監督の手記が原作になっているのです。
『王子と踊り子』の主演にして監督だったローレンル・オリヴィエを演じたケネス・ブラナーも名演で、彼も助演男優賞にノミネートされる可能性大だと思います。マリリン、オリヴィエ、ともにそのスターとクリエイティビティの裏での葛藤が描かれているのが今作の見所のひとつ。
ただし、私個人はミッシェルの演技は素晴らしかったと思うのですが、やはり世界の永遠のアイコンなだけに、どうも納得いかなという意見もちらほら見られます。100%納得させることは無理だと思うので、それは仕方ないことだと思うのですが。
主演女優部門での現在の強敵は、『THE HELP』のヴィオラ・デイヴィスなど。しかし、これから、メリル・ストリープがサッチャーを演じたこちらも伝記もの『THE IRON LADY』などの公開も控えているので、上映次第、またオスカー候補&評判をアップデートしたいと思います。