トレント・レズナー、レディオヘッドに影響されて今回メジャー・レーベルと契約したことをデヴィッド・バーンとの対談で語る

トレント・レズナー、レディオヘッドに影響されて今回メジャー・レーベルと契約したことをデヴィッド・バーンとの対談で語る

週末にトレント・レズナーがデヴィッド・バーンとLAで公開の対談を行った。

そこで、今回彼がHow To Destroy Angelsの発売を独自のレーベルではなくて、コロンビアから出すことにしたのかについて、レディオヘッドが引き金になったと語っている。

SPINに掲載された映像はこちら。

「(NINで最後のツアーをした時)2009年にその日プラハでライブすることになっていたんだけど、その同じ会場で6ヶ月後にライブをやるレディオヘッドのフライヤーがすでにそこにあったんだよね。それで、レコード屋さんに入ったんだけど、そこにはNINのセクションすらなかったんだ。つまり、俺たちがまるで存在していないかのようだったんだ。

それでそれまでの数年間自分達でやってきて、徐々に分かったのは、例えばツイッターなんかで俺はすごいたくさんのフォロワーがいて、そういう人達に届けるのは非常に大事なわけだけど、でもそれだけだと世界があまりに限定されてしまう。自分の好きなことだけをそこで紹介していくことは可能だけど、でも、それ以外の場所に届いていかないことがたくさんあるって分かったんだよね。

それで、例えばこれからも自分のレーベルでアルバムを発売していくことにするとすると、俺自身はどのプラハのどのレコード屋さんがクールなのか知らないわけだ。もちろんブログなんかを見れば分かるんだろうけど、それを自分でやりたいとは思わないんだよね。というのも、俺の中には、そういうことに一旦手をつけたら夢中になってしまう傾向があって、マーケティングに夢中になってしまう可能性もある。でも、マーケティングについては俺より他に得意な人がいるわけで、俺が書く曲というのは、俺しか書けないわけだからね。

自分のレーベルで発売してみて良かったことは、誰にもコントロールされないから、真夜中の12時に曲が完成したら、そのまま発売できたこと。自分しかコピーを持っていないから、リークすることもなくて、ファンが大喜びしてくれたしね。それは本当に楽しかったんだよね。とりわけ、俺はすでに長いキャリアがあるし、奇妙なレーベルの体制と長年付き合ってきたわけだからね。

だけど、結局は、俺が自分でやるよりも、世界的に優れたチームを持つ人達に任せるほうが、自分の取り分を渡すことになっても効率的だと思えたんだ。今の俺にとって一番大事なのは、自分達でやって少しだけお金を多く稼ぐことよりも、世界でより多くの人に知ってもらうことのほうだからね。実際今のところは、それがかなり良い感じになっているんだ。すごく良いチームがいるおかげでね」。

トレント・レズナーは、2007年にツアーをした際、オーストラリアでNINのCDが高い値段で売られていたため、当時所属していたユニバーサルを批判。「『YEAR ZERO』がオーストラリアドル$34.99で売られていた。アヴリル・ラヴィーンは$21.99なのにね。人が盗む訳が分かったよ。恥を知れ」と。さらに、それについてレーベルに聞いたら、その答えが「NINのファンは値段がいくらでも買う人達だけど……ポップミュージックのファンは値段を下げないと買わない」と言われたそうで、「つまり、本物のファンは、ぼったくられるという訳だ」と激怒していた。

トレントの新プロジェクトHow To Destroy Angelsの新EP "An Omen"は、11月13日発売。

シングル”Keep it together”のオフィシャルビデオはこちら。
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