back numberの横浜アリーナは、とても近くて、とても強かった

back numberの横浜アリーナは、とても近くて、とても強かった

横浜アリーナという会場には何度もライヴを観に来ているが、不思議なことに、観るライヴによってすごく大きく感じたり小さく感じたりするのだ。玉アリとか幕張メッセとかだとそんなこと感じないのに、あれは何なのだろう。

で、今日のback numberの横浜アリーナはとても小さく感じた。言葉を換えれば、バンドがとても近かった。清水依与吏は少しでも観客に近づこうと何度もステージの端っこまで歩み寄っていたけれど、そんな必要もないくらい、近かった。「自分の歌だと思って聴いてください」と清水が言うまでもなく、back numberの歌は、1万人ひとりひとりと、とても親密に結びついて鳴っていた。

それは、彼ら自身が、自分たちの曲を何よりも自分たち自身のこととして演奏し、歌えていたからだ。自分たちの物語を、切なさも、情けなさも、何も隠すことなく全力で生きていたからだ。『ラブストーリー』とは結局一生懸命生きることなのだと、今日のライヴは改めて教えてくれていた、と思う。そうやってback numberはここまでたどりついた。きっとこれからもそうだろう。それを引き受けたから、いまのback numberはこんなにも強い。

清水はときどき、自分たちの歌を「小さな歌」と表現する。でもその小さな歌は、まさにその小ささにおいて、ひとりひとりと強くつながる歌になる。素晴らしいライヴだった。
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