クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その1:2LDK

クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その1:2LDK

もうすぐです。
12月3日、クリープハイプのニューアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』発売。

リリースに向けて、このブログで毎日1曲ずつ、レビューをしていこうと思います。どうぞお付き合いのほど。

11月30日発売のJAPANでは表紙巻頭でがっちりクリープハイプを掲載しますが、そこでアルバム全曲解説インタヴューもやりました。なのでそこからメンバーの発言を抜粋しつつレビューします。

というわけで、リリースまで12日、1曲目は“2LDK”です。


■この“2LDK”がシングルになっていたら、“寝癖”はないんですよ、この世に(小泉拓)

レコード会社移籍第一弾シングルとしてリリースされた『寝癖』。その表題曲を選ぶ際の候補のひとつが、この“2LDK”の原型だったという。それが紆余曲折あって最終的にアルバムのオープニングナンバーとなった。

“左耳”などを彷彿とさせる、つまりいちばん「クリープハイプらしい」部分に真正面から挑んだ曲で、2LDKの部屋を舞台にすれちがっていくふたりを描く歌詞も尾崎世界観らしいセンチメンタリズムにあふれている。そういう意味では“寝癖”にも近い曲だと思うのだが、この曲は「すれちがい」や「別れ」を描いた曲ではないと僕は思っている。なぜなら、この曲でいちばん重要なフレーズは、2番のAメロ、

《1秒毎に変わって行くあたしを許して
時計の針は正確にリビングに響く》

という一節だからだ。
尾崎は「ここだけすごく自分の気持ちを出した」と言っていたが、ここで歌われる「変わって行くあたし」というのは、取りも直さず尾崎とクリープハイプのことである、と思う。

このあいだのホールツアーでも尾崎は「変わりながら一緒にいましょう」とファンに語りかけていたが、変わっていくこと(を受け入れること)は今のクリープハイプの重要なテーマのひとつとなっていて、それが明確にメッセージとして歌われるこの曲が1曲目になったというのは、ある意味必然的なのだ。

レコード会社を移籍したり、規模が大きくなったり、バンドは絶えず変わりながら前に進んでいく。この1年のクリープハイプはまさに大きな「変化」を全身で味わいながら走ってきた。その先で《変わって行くあたしを許して》と歌うこと。まさにここから、『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』はスタートするべきだった。


明日は2曲目“エロ”について書きます。
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