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    クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その5:大丈夫

    クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その5:大丈夫

    12月3日、クリープハイプのニューアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』発売。リリースまで、このブログで毎日1曲ずつ、レビューをしていきます。

    リリースまで8日、5曲目は“大丈夫“です。


    ■キメ顔じゃない感じがするじゃないですか。でもそのほうがいい写真撮れたりする。そういうのが写ってる曲(長谷川カオナシ)

    アルバムタイトルの『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』はこの曲の歌詞から採られた。だから実質的にアルバムの表題曲といってもいい“大丈夫”である。

    カオナシもここからアルバムタイトルが生まれたことについてはびっくりしたと言っていた。確かに、たとえば『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』というタイトルを生んだ“愛の標識”とは、テンションも、勢いも、シリアスさも違う。だけど、これはすごく正直な曲だ。

    懐の深い女性の主人公が、どうもへこみがちでダメな男に《大丈夫だから》と言う。これ、どう考えても尾崎は自分で自分に言い聞かせている。もしくは誰かに大丈夫だと言って欲しがっている。あるいは、女性の言葉を借りて、誰かに大丈夫だと言いたがっている。そういえば《連れて行ってあげるから》と女性目線で歌っていた“憂、燦々”もそうだったな。

    だからこの曲は尾崎の不安の正直な吐露なのだ。だからちょっとユーモラスなアレンジと歌詞にして照れ隠ししているのだ。そして、そこからアルバムを象徴する言葉が生まれたことが、このアルバムの何たるかを物語っている。


    明日は6曲目“百八円の恋”について書きます。

    ※最初にアップした際、タイトルのバンド名、最初の「ク」が抜けてしまっていました。申し訳ありません!
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