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    『パンドラ ザ・イエロー・モンキー』を観た……

    『パンドラ ザ・イエロー・モンキー』を観た……

    思わず「観た」のあとに「……」をつけたくなるような、すさまじい映画だった。
    1998年4月から1999年3月にかけてのロングツアー「PUNCH DRUNKARD TOUR」の記録、劇場版『パンドラ ザ・イエロー・モンキー
    PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE』(監督:高橋栄樹)の完成披露試写。

    1年をかけて全113公演を行ったこのツアーがどんなものだったのか、バンドにどんな影響を与えたのか。その「傷」がじわじわと広がっていく様が、あまりにも生々しく、赤裸々に、映像として記録されている。だからこの映画に描かれているのは一世を風靡したロックバンドの華やかで破天荒な過去などではなく、ひとつのロックバンドがいかにして「壊れていく」のか、という残酷な物語だ。そしてさらに残酷なのは、その物語があまりにも美しいということだ。イエローモンキーはあまりにも「ロックバンド」だったんだな、と改めて思う。かっこよすぎる。

    その残酷で美しい物語の果てで、まるでひとつの「結論」のように歌われる“SO
    YOUNG”、そしてあれから15年後、和やかに当時のことを語り合うメンバー4人の姿。物語はまだ続いている、という気がする。

    当時のイエローモンキーのライヴ映像がこれでもかと出てきて、選曲も完璧、なので単純にめちゃくちゃかっこいいロック・ドキュメンタリーでもあるのだが、それと同時にロックバンドの宿命に震える作品。すべてのロックファンに観てほしい。


    公開情報はオフィシャルサイトで。
    http://theyellowmonkey-movie.com/

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