女子高生シンガーソングライターとしてデビューした新山詩織も、この3月に高校を卒業する。
そんな節目にリリースされる1stフルアルバム『しおり』は、この1年の彼女の成長と、それでも変わらない表現者としての幹をしっかり刻み込んだ、いわば「卒業アルバム」みたいな作品だ。

デビューから何度もインタヴューしている身として、わずか1年のあいだに、彼女の言葉、表情、口調に、どんどん強さが増していく様子を肌で感じてきた。誰にも言えない気持ちを心の向くままに歌にし始めた彼女が、今は誰かに何かを伝えたいという意志をはっきりともって、音楽に突き進んでいる。その歌に込められた思いの熱さは変わらないけど、それがよりダイレクトに表に出てくるようになっている。

高校を卒業して、さらに彼女は強くなっていくだろう。そういう意味ではこれは始まり、というか助走の終わりなのかもしれない。今までになくはっちゃけた曲や、今までになく大人な表情の曲もあって、これ、自分でもどうかと思うんですが、姪っ子の成長に目を細める親戚のおじさんみたいな気持ちで取材してきました。

でも、卒業式ではきっとボロ泣きするんだろうなあ。

先週リリースされた最新シングル“今 ここにいる”のMVがこれ。