夜の本気ダンス『DANCE STEP』:起きる、踊る、食う、踊る、寝る、踊る
2014.03.14 13:46
2008年に京都で結成した4人組、夜の本気ダンス。略してヨルダン。
テレヴィジョンみたいなギターリフとか、アークティック・モンキーズみたいなグルーヴとか、ジェットみたいなタンバリンとか、好きなものを好き勝手に組み合わせて、ポップなメロディをまぶして、それで「さあ、踊れ!」という。確かに踊れるし楽しいしアガるけど、それって結構ワガママだ。
シーンではダンスビートとギターロックの掛けあわせというスタイルはすっかり定型フォーマットとして定着したが、そこにはロックバンドが客を踊らせようとするときの基本合意とでもいうものがある。つまりこれぐらいのBPMで、こういうビートで、メロディはこう展開して、シンセはこういうふうに乗ってくる、みたいなノリ。このミニアルバムにはそれにのっとった曲もあるけど、それとは全然関係ない曲もある。というか、基本的にこの夜の本気ダンスはそういう、スタイルとしての「ダンスロック」のバンドではない。でも踊れる。そこが重要なのだ。というか、ロックなんだから踊れるのは当たり前なのに、何わざわざカテゴライズしちゃってんの?くらいの乱暴さが、バンド名にもアルバムタイトルにも表れている。だからワガママだしちょっとアナーキーだけど本質的。このバンドはロックが何なのかを知っている。