ローリング・ストーンズ、11年ぶりの最新作『ブルー&ロンサム』発売決定!来る本アルバムを大胆予想


なんといきなり、ザ・ローリング・ストーンズの新作が12月2日にリリースされることが発表された。

スタジオに入っているという報せはかねてから伝えられていたが、今年いっぱいは作業に費やされるものだと踏んでいたので、あまりの急展開に驚いた。そして、その新作『ブルー&ロンサム』からの新曲"Just Your Fool"が公開されているが、これがど真ん中のブルース・パフォーマンスとなっていてしびれるばかりなのだ。

実はこの"Just Your Fool"、原曲はバディ・ジョンソンの古典的R&Bだが、このストーンズの音源はシカゴ・ブルースとブルース・ハープ演奏の神髄とも謳われるリトル・ウォルターのヴァージョンのカバーになっていて、このヴァージョンをカバーするというのはストーンズにとってはまさに原点回帰そのものなのだ。考えてみれば、2012年11月から始まった50周年記念ツアーは最終的に歴史的なキューバのハバナ公演でもって今年の3月にようやく終幕を迎えたわけだが、バンドにとっての活動50年の原点回帰の総仕上げはまだまだ残っていたわけで、それがまさにこの『ブルー&ロンサム』なのだ。

というわけで、内容はブルース・カバー集となっていて、曲タイトルだけから判断すると"Commit a Crime"はハウリン・ウルフ、"Blue and Lonesome"はメンフィス・スリム、"All of Your Love"はマジック・サム、"I Gotta Go"はリトル・ウォルター、"Everybody Knows about My Good Thing"はリトル・ジョニー・テイラー、"Ride ‘em on Down"はエディ・テイラー、"Hate to See You Go"はリトル・ウォルター、"Hoo Doo Blues"はジュニア・ウェルズ、"Little Rain"はジミー・リード、"Just Like I Tread You"はハウリン・ウルフ、"I Can’t Quit You Baby"はウィリー・ディクソンらのヴァージョンを意識したカバーになってくるのではないだろうか。いずれにしても筋金入りのブルース・オタク・バンドとして始まったストーンズの歴史を今改めて振り返る内容になってくるのは間違いない。

ただ、気になるのはキース・リチャーズやロニー・ウッドらが度々「新作」としてほのめかしてきた作業である。そもそも今回の『ブルー&ロンサム』は昨年の12月にロンドンでわずか3日間でレコーディングされたというものなので、「南米ツアーのあとに取りかかる」と取り沙汰されてきた新たな作品の制作作業は今も進行中ということなのかもしれない。それにミック・ジャガーは2014年のツアー中に長らく交際を続けてきたデザイナーのローレン・スコットが急死するという不幸にも見舞われているため、ブルース・モードを全開にする必要もあったのかもしれない。いずれにしても今回のストーンズ祭はまだまだ終わらないのだ。(高見展)

『ブルー&ロンサム』収録の“Just Your Fool”のプレビュー音源はこちらから。