今から42年前の1974年6月1日に行われた幻のスーパー・セッション、ケヴィン・エアーズ+イーノ+ジョン・ケイル+ニコ、さらにゲストがマイク・オールドフィールド(G)とロバート・ワイアット(Per)!
とんでもないメンツだが、演奏も摩訶不思議すぎる…。
イーノの“ドライヴィング・ミー・バックワーズ”で不穏に始まり、“ベイビーズ・オン・ファイアー”でエキセントリックに盛り上がったと思いきや、ジョン・ケイルの“ハートブレイク・ホテル”であやしくどよーんと沈み込み、ニコのライヴの定番曲“ジ・エンド”で奈落の底まで……。
後に日本盤がリリースされた時は、『悪魔の申し子たち〜その歴史的集会より』というものすごい邦題がついていた。
ケヴィン・エアーズのソロ、『夢博士の告白』(『The Confessions of Dr. Dream and Other Stories』)のリリース・プロモーションのために企画されたイベントだそうだが、
エアーズが後々語ったところによると、自分たちに共通していたのは当時同じレーベル(アイランド)だったこと、主流ではなく「外れた」音楽をやっていること、だけ。「それをまとめてライヴをしようなんて、自分なら絶対に思わない。やってきたことが違いすぎる」と振りかえっていた。
もちろんワイルド・フラワーズ~ソフト・マシーン時代の盟友ロバート・ワイアットや、ソロ・バンドに参加したマイク・オールドフィールドの参加はあるものの、全員キャラも音楽性も濃すぎ!
怖いものみたさで聴いて観たい方は、現在はデジタルでも購入できるようです。
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そして、ジョン・ケイルといえば8月6~8日、ブルーノートにて久々の来日が決定している。
4月のパリ公演ではアニマル・コレクティヴらをゲストに迎えてアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』の楽曲を演奏したそうだが、来日ではどんなパフォーマンスが観れるのか?
90年代には、ルー・リードのツアーで、『ソングス・フォー・ドレラ』(ウォーホルを追悼してふたりで作ったアルバム)リリースが近かったため日本公演で共演したり、
九段会館でストリングスと共演したり、
思い返せば返すほどスペシャルなライヴを見せてくれたので、今回も楽しみ…。
ちなみにロッキング・オン7月号掲載のブライアン・イーノのインタヴューも大好評だが、
イーノは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを、自分の人生を変えた存在として語っている。
「当時、私は大きな危機に直面していてね。いわゆる伝統的な美術の道に進むか、それともより大衆的なアートを選ぶか、悩んでいたんだ。
画家になるか、それとも音楽の世界に入るか、と考えていたけれど、特に楽器が弾けるわけでもなかったから、普通に考えると音楽を選ぶのは無理があったんだけれどね。そんな時にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴いて、『そうか、両方できるんだ』と気付いたんだよ。あれは私にとって、非常に大きな瞬間だったね」
「セカンド(『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート』)は私が今まで聴いてきた中でも一、二を争うワイルドなレコードだよ」
こちらも、書店にあるのは今日までですので、まだの方はぜひ。(井上貴子)