BTSとの驚きのコラボなど、異次元の進化を遂げたコールドプレイ ――『スター・ウォーズ』にインスパイアされた新作『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』を完全解説!

BTSとの驚きのコラボなど、異次元の進化を遂げたコールドプレイ ――『スター・ウォーズ』にインスパイアされた新作『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』を完全解説! - rockin'on 2021年12月号 中面rockin'on 2021年12月号 中面

文=粉川しの

コールドプレイの通算9作目となるニュー・アルバム、『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』が大ヒットしている。彼らは同作で連続全英1位記録を9作に更新し、初週で10万枚超は今年のUKで最速のセールスとなった。一方のアメリカでもBTSとのコラボ・シングル“マイ・ユニバース”がビルボードのシングル・チャートでトップに立ち、彼らにとっては2008年の“美しき生命”以来2度目のNO.1シングルとなった。

BTSとのコラボという、現行ポップ・シーン最強のチートが大きく貢献したヒットであるには違いない。しかし同時に、『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』は彼らが意図してポップの機能性を最大限に高めることに注力したアルバムでもある。ここまでオープンでフレンドリーなアルバムは久しぶりだと思うし、今日的なポップ・ソングから意図的に逸脱していった前作『エヴリデイ・ライフ』とは、はっきり対照を成している。

前々作『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』も本作に匹敵するポップ・アルバムだったが、オルタナR&BやEDMにも目配りしながら最新音響を緻密に作り込んだ『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』と比較すると、本作はより直球ストレートのエレクトロ・ポップ、モダンなポップ・ロックが駆け抜けていく分かりやすさが際立った作品でもある。

「天体(球体)の音楽」と題された本作のテーマは、そのものズバリ「宇宙」であるとコールドプレイは定義している。クリス・マーティン曰く、映画『スター・ウォーズ』に出てくる宇宙港モス・アイズリーのカンティーナ・バンドの演奏シーンを観て「宇宙で演奏するってどういう感じなんだろう」と興味を持ったのが本作のきっかけだったという。彼は「いつか月でライブをやりたい」とまで語る入れ込みようで、先行シングルとしてリリースされた“ハイヤー・パワー”は国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士との交信、というスタイルで初お披露目されている。(以下、本誌記事に続く)



コールドプレイの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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