今のストーンズのオリジナルメンバーは、ミックとキースのふたりだけである。そんなことは誰もが知ってはいるが、でもなんかそういう感じがまったくしない。ストーンズはいつでも「いつものストーンズ」、という風に思えてしまう。
ギタリストのブライアン・ジョーンズが死に、ビル・ワイマンは脱退し、昨年には遂にチャーリー・ワッツが死んでしまったが、ストーンズの存在感は何も変わらず、当たり前のように今も存在している。いや存在しているどころか、去年のアメリカツアーに続いて今年はヨーロッパツアーを回っている。スティーヴ・ジョーダンをドラマーに迎えて、「チャーリーのドラムの喪失は限りなく惜しまれるが、ストーンズは最強のロックンロールと共に今世界を回っている」と報じられるほどに強力なツアーを繰り広げている( 日本にも来てくれ!!)。つまり、ミックとキースがいれば、ストーンズなのだ。
それは本当に、凄いことである。ミック・ジャガーというシンガーは凄いし、キース・リチャーズというギタリストは凄い。そしてそれ以上に、ザ・ローリング・ストーンズというバンドは、普通のバンドとは次元の違う、もはやバンドの名前ではなく「ロック」とか「ロックンロール」と同じように概念そのものであるような、計り知れないものなのだということがわかる。もちろん途中参加のロニーも偉大なストーンズのメンバーであるのは言うまでもない。
文章の論旨をはっきりさせる上で敢えてミックとキースに絞っただけのことで、今のストーンズの実質的な音楽面やキャラクター面においてはミックとキースと同等である。そして、みんなロニーが大好きである。
そんな偉大なるザ・ローリング・ストーンズなのだが、さらにとんでもない事実がある。御存知の通り、ミックもキースも今年で79歳なのである。ロニーは75歳。その歳で、このパンデミックの時代に飛行機で世界を飛び回って最強のアリーナ/スタジアムライブをやっているのだ。そしてミックはツアー先の各地から素敵なセルフショットをInstagram に上げるのである。なんなんだ?この人たち。
考えてもきりがないので、結成60周年を祝福する大特集号を作りました。最新インタビューと最新ツアーのレポを読んで今のストーンズに圧倒されていただきたいと思います。そして、60年代〜10年代以降の現在まで60年間の歴史を年代別で記述したクロニクル、さらに途轍もなくストーンズを愛する宮本浩次によるスペシャルトーク、の立体特集でお送りします!
(編集長 山崎洋一郎)
<コンテンツ紹介>
★チャーリーの死を乗り越えたミック、キース、ロンがバンドの最新モードを語るインタビュー
★7/3ロンドン公演の完全ライブレポート
★奇跡のストーンズ60年史徹底レビュー
★宮本浩次がストーンズへの熱き思いを語ったインタビュー
総力特集『ザ・ローリング・ストーンズ、世界最強の今』は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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