ロッキング・オン最新号は総力特集The 1975! 会心の最新作が世界を救う―― 新AL『外国語での言葉遊び』、その全貌をマシュー・ヒーリーが語り尽くした

ロッキング・オン最新号は総力特集The 1975! 会心の最新作が世界を救う―― 新AL『外国語での言葉遊び』、その全貌をマシュー・ヒーリーが語り尽くした - rockin'on 2022年10月号 中面rockin'on 2022年10月号 中面

The 1975が、ついに「The 1975」を見つけた。

彼らのニューアルバム『外国語での言葉遊び』の画期性を端的に言い表すならば、そういうことになるだろう。前作『仮定形に関する注釈』までのThe 1975は、自分たちの正体を敢えて曖昧にしてきたバンドだった。曖昧であることによって時代と社会を反映し続ける、アイコニックな存在だった。時代が、社会が、そしてポップミュージックが常に変化し続けるものであるように、自覚的なポップの担い手である彼らもまた、「正しく」自分たちを見失い続けてきたとも言える。

しかし、The 1975 は変わったのだ。本作に至って彼らは初めて音楽と一対一で真正面から向き合い、自分たちの輪郭にぴたりと重なり合う唯一のもの、マシュー・ヒーリーが言うところの「メロディーと曲」を手に入れた。本質に真っ直ぐアプローチしていく本作の極めて洗練されたサウンドは、彼らのその極めてラディカルな変化を伝えるものだ。

デビューシングル“ ザ・シティ”から今年で10年。4人の出会いから20年が経つ。13歳からずっと一緒にいる彼らにとってThe 1975とは思春期そのものであり、彼らの思春期とはポストモダンなポップミュージックと、そしてロックの落日と密接に結びついていた。The 1975が音楽/音楽以外の分け隔てなく、あらゆる物事との相対化の中で象られていったモザイク的バンドになったのも、そんな背景を持つ彼らの必然だったのかもしれない。しかし今、彼らは初めて音楽と音楽以外を分け隔て、唯一絶対の音色を目指したのだ。

もちろん『外国語での言葉遊び』で純音楽の高みを目指したからといって、The 1975がインディー純潔主義にひた走り、世俗に背を向けるなんてことはありえない。「ベストヒットショー」を標榜したサマーソニックのステージが、2020年代ギターロックのあるべき姿を真っ先に提示しながら、同時に圧倒的なエンターテインメントでもあったように、The 1975にとってポップは今も昔も欠かせない本質の一部だ。

The 1975にとって2年半ぶりの初ライブであり、新曲初披露の場ともなった今回の来日は、日本のオーディエンスが彼らの歴史的ターニングポイントの最初の目撃者になるという記念すべきイベントだった。そんな二重三重にメモラブルなThe 1975の新時代の幕開けを祝福する、表紙巻頭特集をお届けする。 (粉川しの)




総力特集『The 1975 会心の最新作が世界を救 う!』は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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