06年のデビュー作が全世界で200万枚という驚異的な売上げを記録し、まさに天井なしの勢いで２０００年代のシーンをリードしてきたザ・フラテリスだが、2枚目をリリースしてから内部分裂、09年に突然「無期限活動休止」を宣言。
ということで、今作はまさに一回は終わりを覚悟したバンドが、再び続ける活力と信念をたくわえて挑んだ復活作ということになるわけだ。
つまり、めちゃくちゃ気合の入った1作だっていうこと。
それは聴いたらすぐに伝わってくると思う。
トラッドからリズム＆ブルース、ロッカビリーからスウィンギン・ロンドンまでを内包した、まさに正統派なＵＫロックが鳴り響くアルバムは、極めてご機嫌でアッパー。
３人で演奏する楽しみが滲み出てくる１枚である。
シングル“セヴン・ナイツ・セヴン・デイズ”なんか、まさにその象徴だろう。
これぞザ・フラテリスな、最高のチューンじゃないか。
「今作はセカンドより、ファーストの『コステロ・ミュージック』の感覚に近いと個人的には思ってるんだ。今回のフラテリス活動再開を期にお互いの友情も、音楽に対する熱意も、フラテリスに対する意気込みもまた新しく充電されて生まれ変わった、っていう意味でさ」
これはジョンがロッキング・オンに語った言葉だが、その通り、デビュー当時の輝きを取り戻したバンドはもはや無敵。
早く生でそれを確認したい。
インタヴューが掲載されているロッキング・オン11月号のほうも、あわせてどうぞ！（内田亮）
