ザ・1975@赤坂BLITZ、スター・オーラが半端なかった

ザ・1975@赤坂BLITZ、スター・オーラが半端なかった

取材に続けて、ザ・1975のライヴ。
マシューが言っていたとおり、東京でライヴやる彼らの喜びが滲み出ていた素晴らしいパフォーマンスだった。
今朝早朝に成田に着いたとはとても思えない。

特に印象的だったのは、サマソニから半年、本国では1位を記録し、世界中をツアーし、大成功をおさめただけあって、バンドとして一回りも二回りも大きくなっていたこと。
サウンドそのものの出し方も、もはやアリーナ級だったが、それぞれのメンバー、特にマシューから漂うカリスマというかスター性は、もはやブリッツにもおさまらないほど強烈だった。
音楽的に優れているだけではなく、これだけスター・パワーを発揮する新人バンドを観るのはホントに久々な気がする。
それに比例するような黄色い歓声もまた、ものすごかった(これもまた久しく聞いてなかったような)。

正直、90年代インディに洗礼を浴びた自分にとって、彼らのもろ80年代的アリーナ・サウンドは苦手なはずなんだけど、これがまためちゃくちゃ気持ちいいのが自分でも不思議なくらい。
特にドラムは、80年代のロックに蔓延していたあの妙に大袈裟で胡散臭いサウンドを多用しているわけだが、それもぜんぜん許せるどころか、むしろ欲してしまう自分がいた。
結局、自分が苦手なのは、あくまでサウンドそのものではなかったってこと。
先ほどのブログでも書いたように(http://ro69.jp/blog/rockinon/96595)、流行とかとは別に、彼らはこの時代に、あえてあのサウンドを自覚的に選んでいて、それを自分たちのアイデンティティにしているわけだ。
なので、変な話、とことんピュアに鳴らされる、軽薄なもんと思っていた“あのサウンド”が、どっしりリアルに響いてくるのである。
そういう意味で、ちょっとだけ価値観を揺るがされるパフォーマンスだった(アルバムを気に入った時点でなんとなくそう思ってはいたが)。

ちなみにサポート・アクトで登場したスウィム・ディープは逆に90年代感がぷんぷん漂っていて、これもまた素晴らしかった。
彼らのパフォーマンスについては、また明日にでも書かせていただきます。(内田亮)
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