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    Macklemore & Ryan Lewis、これぞ新世代!

    Macklemore & Ryan Lewis、これぞ新世代!

    マックルモア&ライアン・ルイス@渋谷AX
    最近、本誌でザ・ストライプスやジェイク・バグやディスクロージャーやテンプルズなど、インディ/メジャーやジャンルの”畑”や”しきたり”にまったく左右されず、自由奔放に音楽を作っている若い世代にクローズアップしているが、今日、渋谷AXで見たマックルモア&ライアン・ルイスこそ、まさに新世代。
    これまで観てきた、“本場のヒップホップ”とはまるで違う次元のライヴ・ショウだった。
    半端なくハイエナジーなのはさておき、とにかくめちゃくちゃポジティヴ。
    闇やエゲツなさがまったくなく、ここまで“正しさ”というか、少年ジャンプ的な正義が全面的に打ち出されたヒップホップは実に新鮮だった。

    さらに新鮮とかを通り越して、衝撃的だったのが、それにリアクションする観客のパワー。
    これまで数え切れないほどのライヴを見てきているが、会場が揺れるほどお客さんの歓声が凄まじかったライヴは、正直、ここ数年体験してないかも。
    特に洋楽のライヴの場合、言葉壁のため、空気が微妙になることが多々あるが、今日のマックルモアは怖いもの知らずに、がんがん英語MCで攻めまくり。
    来日アーティストがあれほどお構いなく、ペラペラ、ペラペラ英語をかますのも、ほとんど観たことない。
    でも、言葉の壁に対する気負いがまったくなかったからこそ、ちゃんと日本のオーディエンスに伝わったんだんだと思う。

    よくよく考えてみると、さっき言ったように”本場のヒップホップ”においては、マックルモアみたいに、あそこまであっけらかんとポジティヴィティを振り舞うアーティストはあまりいないが、独自の進化を遂げた日本のヒップホップにおいてはこの感性はあまり珍しくないのかも。
    そういう意味でも、ただ海外の人気アーティストを歓迎する以上の、なんか特別なコネクション、つまりマックルモアの独特な感性と、日本人特有の感性のつながりを感じさせるライヴだった。
    「またここに戻ってくるのが楽しみで仕方ない」とマックルモアが最後に発していたが、その日は遠くないだろう。(内田亮)
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