レッチリの新作が出るたびに僕らはいろんな感想や意見を言い合ったりするが、
ライブを観たらそんなことがいい意味ですべて意味を失う。
レッチリの本質はアルバム作品ではなくてライブの肉体性に宿っているからだ。
ただし、その肉体性に説得力や陰影やエモーションを付与するのは、彼らが作る作品に他ならない。
つまり、レッチリの肉体は作品を作るためにあるのではなく、
作品がレッチリの肉体のためにあるのだ。
だから全てのデモ曲をボツにされてまで新たにデンジャーマウスをプロデューサーに迎えて新作に向き合ったし、そうして新たなアルバムを生んだ肉体として今レッチリはステージに立つのだ。
新しいアルバムが出るとライブもそのアルバムのモードにしてしまうアーティストは多いが、
レッチリはこれまでもそんなことはなかったし、今回もそんなことはない。
新しいアルバムを経た新しい肉体としてステージに立つだけだ。
新曲ではピアノの音が加わり、これまでになかったアレンジとサウンドプロダクションを感じるが、大きくは変わらない。
ジョシュのギターが前回のサマソニよりもぐっと良くなり、フリーのベースはアトムズ・フォー・ピースを経て少し緻密になったように感じる。
そうした、バンドの「肉体」としての成長/変化が、
今回もライブの全てだったと思う。
「バイ・ザ・ウェイ」はよかったな、会場が一つになった。
でもちょっとあっさりだったなぁ。
もう少し味わいたかった。
アンソニー、機材トラブルか何かで怒ってたかな?
レッチリをフジロックで観た
2016.07.24 22:45