アークティック・モンキーズの新作は最高。変化作であると同時に、すごく本質的な1枚。

アークティック・モンキーズの新作は最高。変化作であると同時に、すごく本質的な1枚。
アークティック・モンキーズの新作ばっかり聴いている。
ロックの曲が一曲も入ってなくて、映画音楽やジャズ、古いポップスやR&Bのような曲がズラッと並んでて、最初に聴いたときには驚いたが、もう2回目からは感動で、3回目以降は完全に中毒になってしまった。
70年代のブライアン・フェリーのソロ・アルバムのような、クラシカルだがポップアート感のある、ハイファイだがヴィンテージ感のある最高の「ロック」アルバムだと今では思う。

こういうアルバムになったのは「ピアノで作曲したから」というのが理由だが、それでもここまではっきりと路線を変更するのはよほどのことである。

でもよく考えれば、2006年に彼らが新世代ロックンロールバンドとして登場したときの、まるで60年代のビートバンドになりきって演じているかのようなリアルな再現性(アルバム『AM』でのワイルドなギターリフとアレックスのオールバックのヘアスタイルとかも)は、そもそもスタイルや美学の「コスプレ」こそが彼らの表現の原点であるということを示しているわけだから、今回の「ノスタルジックな映画音楽」路線もその延長線上にあるのだ。そういう意味でもほんとにB・フェリーみたい。最高。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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