今月の編集後記──ビートルズ『アビイ・ロード』特集号

今月の編集後記──ビートルズ『アビイ・ロード』特集号
『アビイ・ロード』とか『レット・イット・ビー』とかの、ビートルズの最後のほうのアルバムは若い頃あんまり聴かなかった、という今月号での奥田民生の話は、後追い世代である僕らには凄くよく分かる話だった。
『リボルバー』や『ラバー・ソウル』とは違って、どこか面倒くさい感じがあるというか、聴いてて盛り上がらない感じがあるというか、あんまり手が伸びなかった。
今思えば、その面倒くささの正体は、「アルバムのためにアルバムを作る」というあの時代の「アルバム至上主義」だったんだということがわかる。

ビートルズが続くか解散するかの基準はライブでもシングルでもなく「アルバムを作るかどうか」が全ての論点だったし、最後のほうのアルバムは「バンド内のバランス」=「アルバム内におけるバランス」という感じだし、とにかくアルバムが成立することが、バンドが成立していることの証だったのだ。
その「アルバムとして成立させなきゃ感」がどうしても漂う、というかむしろそれが作品のパワーになっている『アビイ〜』や『レット〜』は、瞬間的快楽を求めていた10代の僕らにはちょっと面倒くさかった。

今になってこうして聴き直して語ったりするのは超楽しいんだけどね。(山崎洋一郎)
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