70年代当時には、ストーンズの代表作といえば『スティッキー・フィンガーズ』とか『ベガーズ・バンケット』あたりが定番だったのだけど、90年代を経てストーンズが改めて再評価される頃になると「代表作といえばこれ!」的に定番化されたのが『メインストリートのならず者』である。作品が徐々に評価を上げてきたのと、オルタナ世代の意識高い系ロックファンにはこのアルバムは評価されやすかったのだろう。
僕にとっての代表作は、多くのストーンズフリークがそうであるように自分が初めて買ったストーンズのアルバムで、76年の『ブラック・アンド・ブルー』である。このアルバム、当時からなんだか過小評価されてるような気がしてならなくて、本人たちもツアーなどでここからの曲はあんまり(ホットスタッフ以外)演奏してくれないのである。なぜなのだろう。ハンド・オブ・フェイトもクレイジーママもヘイ・ネグリタもいい曲いっぱいあるのに!
と、長年ずっと思っていたところ先日リリースされた77年のライブ盤『ライヴ・アット・*エル・モカンボ*』で『ラヴ・ユー・ライヴ』未収録分をまるごとガッツリやってくれている。もちろんギターはロン・ウッド。最高である。(山崎洋一郎)
ロッキング・オン『ローリング・ストーンズ特集号』編集後記より
2022.08.23 17:31