疾走するユニゾンらしいロックナンバー“スペースシャトル・ララバイ“で始まって、弾けるようなダンスロック“恋する惑星“も実にユニゾンらしいし、攻撃的な“ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ“もユニゾンならではの攻撃性が漲っていて、“City peel”と“Numbness like a ginger”の2曲もユニゾン流おしゃれポップの典型で、決定版のバラード“もう君に会えない“もあって、言うまでもなく“カオスが極まる“”kaleido proud fiesta”“Nihil Pip Viper”の3曲の既発曲はギミック盛り盛りの看板曲だし、どこからどこを取ってもユニゾンらしさ満開のアルバム、それが『Ninth Peel』なのです。が。
あまりにも、無防備なまでに「ロックバンドUNISON SQUARE GARDENのアルバム、以上!」みたいな出来映えに、逆にたじろいでしまうのも事実。前々作『MODE MOOD MODE』の予想を超えるポップ路線、前作『Patrick Vegee』の強引なまでの唯我独尊モードから、まさかギアをニュートラル{にして特に目的地なしのハンドル手放し走行に入るとは思ってなかったからだ。さすがというか憎らしいというか、とりあえずは聴いて盛り上がることしかできない。最高である。さすが。(山崎洋一郎)
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UNISON SQUARE GARDENにロングインタビューしました。この謎なニューアルバム『Ninth Peel』をがっつりと紐解くインタビュー、次号ロッキング・オン・ジャパンに掲載します
2023.03.29 18:00