ロッキング・オン最新号・怒りの編集後記

ロッキング・オン最新号・怒りの編集後記
ローリング・ストーンズの新作『ハックニー・ダイアモンズ』はピッチフォークで4・5点だった。ほんとに終わってるな、ピッチフォーク。ちなみにヨ・ラ・テンゴの新譜は8・5点、スフィアン・ステーヴンスの新譜8・4点。はいはい、いつまでもやってろよって感じだ。
ヨ・ラ・テンゴの新作もスフィアンの新作も悪く言うつもりはないし、素晴らしいアルバムで大好きだが、ポップミュージックの現在を最も早く鋭く見極めるのが売りのピッチフォークの価値基準が20年前や10年前で止まってるんじゃ話にもならない。
ストーンズのような旧世代を軽んじてインディー世代を持ち上げる、というのが20年前にはわかりやすい有効な手法だったが、そんなわかりやすい図式はとっくに終わっている。ストーンズに4・5点つけることがいまだに何らかのアピールになると思ったのだろうが、そのセンスも時代感覚も古い。
ストーンズのアルバムだから素晴らしい、という大昔の価値観で言っているのではない。今回の『ハックニー・ダイアモンズ』は、今の時代におけるプロデュース能力において、そしてもちろんロックアルバムとしてのクオリティーにおいて、極めて現代的に素晴らしいと評価されて当然のアルバムである。4・5点のわけないだろう。(山崎洋一郎)
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