ポップミュージックにはリバイバル、再評価というのがあって、ある時代に生まれた音楽が何年か経ってから再び流行ったり、異なった聴かれ方をして盛り上がったりすることがある。以前は20年ぐらい経ってからそれが起きるぐらいのサイクルだったが、最近ではだんだん短くなって、しかも3度目、4度目のリバイバルが起きていたりする。
そのタイミングや、どういうふうに再評価が起きているのかを読み解くのも音楽評論家の重要な仕事になってきていて、そのリバイバルブームの影響を受けた新しい世代のアーティストなんてのもどんどん出てきているからなかなか大変である。「この新人バンドは4度目のニューウェーブ・リバイバルで誕生し、のちに3度目のシューゲイズブームに影響を受けて現在に至っている」なんてことになってきている。
さて、今はグランジの再評価ブームなのだろうか。そうだとしたら何度目なのだろうか。
そんなことはまったく関係ないという気分で作ったのが今回のニルヴァーナ号だ。ニルヴァーナ、そしてカート・コバーンの等身大の姿と歩んだ道のりを飾らずにそのまま焼き付けたかった。リバイバルや再評価の押しつけではない形で、若い人たちにそれを届けたかった。(山崎洋一郎)
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https://rockinon.com/blog/yamazaki/209027
昔ニルヴァーナというバンドがいた(ロッキング・オン最新号編集後記)
2024.04.18 17:57