ホワイト・ストライプスの解散は、つまりジャックとメグが別々になってしまうということだ。ふたりだけが生み出す音楽の奇跡のメカニズムと神秘がなくなってしまうということだ。21世紀になってから独自のすごいバンドが出てきていないという奴に「ホワイト・ストライプスがいるじゃないか」と言ってきた者として、あるいはジャックの別バンド、ラカンターズやデッド・ウェザーに対して決定的な物足りなさを感じてきた者として、ホワイト・ストライプスがいなくなることの喪失感はあまりにも大きい。
メグとジャックの関係性、メグのドラミングとジャックのギターの関係性には、ロック・バンド幻想とはまた異質の、一つのロックの神話が内包されていた。残された作品を聴いて、僕らはまだまだそれを読み解いていかなければならないだろう。