back numberの歌詞の濃さ、曲の濃さ、そしてその2つが絡まり合う強さはちょっと並大抵ではない。
濃すぎて最初は抵抗する人もいるかもしれないが、ハマるととことんハマってしまう。そういう人が増えたから、彼らは武道館まで辿り着いた。
音楽のタイプが違うから反論されそうだが、かつてのイエローモンキーに近い中毒性がある。
清水依与吏は、かなわぬ恋や終わった恋へのどうしようもない思いを歌にしてきた。そういう歌ばかり書いて書いて書き続けてきた。
だから、女の子の報われない恋心を歌った『幸せ』のような、男が書いたら普通は嘘臭くなって許せない歌になるような歌でも、もうまるで自分のリアルな心情のように綴ってしまえる。
ひたすらかなわぬ「恋」と行き場のない「想い」だけを追求して書き続けたback numberの歌は、もはや性別も年齢も超えた普遍的で本物の歌である。
そして、その歌にさらに熱を吹き込んでライブで表現する骨太さも身につけた。
武道館がふさわしい、本当にすごいバンドになった。