ザ・ストライプスの解散によせて

ザ・ストライプスの解散によせて

ザ・ストライプスが解散……!という、ショックなニュースが飛び込んできた。

こちらの記事(https://rockinon.com/news/detail/181645)に詳細がまとめられている通り、解散はバンドの公式ツイッターにアップされた手書きのメッセージによって発表された。彼らの手書きメッセージはデビューからの7年間の充実した日々を振り返り、ファンに感謝を伝える内容になっている。解散に至った原因については一切触れられていない。

それにしても、「次のカートゥーンで会おう!」の一文はどこまでもストライプスらしさが全開だ。同メッセージにもあるように、4人の7年間はたしかに「人生」であり、「生活」だったけれど、同時それはカートゥーンみたいに楽しくて、驚きの連続で、そして非現実的な日々だったということだろう。


彼らの解散はショックではあったけれど、正直そこに驚きはなかった。なぜなら、ストライプスが解散するとしたら、それは彼らが20代前半のうちだろうと私は思っていたからだ。ストライプスとは4人の人生においてあくまでも未分化で無自覚な「プレ期」の状態であって、4人が個々の音楽観と明確なキャリアマップを手にした大人になった時、ストライプスはその役割を終えるというのが、理に適ったシナリオだと考えていたからだ。

デビュー・アルバムの『スナップショット』の頃のストライプスが鳴らしていたロックンロールとは、彼らが自分たちのものとしてコントロールするより先に勝手に転がり出てしまう、マジカルで一期一会の産物だった。対して昨年リリースされたラスト・アルバム『スピッティング・イメージ』は初めて彼ら自身がコントロールしたアルバムで、4人の等身大とサウンドがようやく紐付いた作品だったわけで、まさに彼らはプレ期を終えて巣立つタイミングが来ていたということだろう。


バンドの代理人が今後の4人の予定について明かしているが、これまた何ともストライプスらしい内容なのだ。バンドの音楽面でのブレーンだったジョシュ(G)がすでにソロ・アルバム制作中なのも、天性のボーカリストであるロスが新たに音楽活動を始めるのも納得で、彼らこれから自分だけの表現を模索していくことになるだろう。一方で、俳優事務所と契約したというピート(B)とエヴァン(Dr.)の完全リセット感も、初めての能動的なキャリア選択という意味で超納得なのだ。


ストライプスはこうして終わったけれど、彼らが駆け抜けた7年間、闇雲に鳴らした夢のロックンロールは永遠だ。これから現実に踏み出していく未だ若い4人の未来に幸多からんことを!(粉川しの)
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