エディ・リーダーのライブには、なぜだか勝手に昔からの友だちの家に遊びに来たような、そんな親密さがある。今回の渋谷クアトロでのライブは特にそう感じさせてくれる素晴らしいものだった(明日、明後日とライブは続くので、詳細は控えますね)。
最新作『キャヴァリア』からの楽曲も、フェアーグラウンド・アトラクションの楽曲も、気負いも屈託もなく次々と演奏していく。いつものようにセットリストは詳細には決めず、流れの中でエディが「次はこの曲」とパッとメンバーに伝え、即座に「用意はいい?」と聞く彼女に笑いながらも、瞬速でギターにカポを装着したり、チューニングを確認したりして、ごくナチュラルに曲が始まるという展開。ラフな雰囲気の中にも、演奏が始まればさすがの手練れたちの演奏に惹きつけられる。
のっけから、フェアーグラウンド・アトラクションのあの曲たちを惜しげもなくたて続けに演奏したのには驚いたけれど、それさえもとてもナチュラルだった。
“Cavalier”や“A Sailor's Farewell To The Sea”、“Old Song”など、新曲披露の前には、曲の解説をとてもわかりやすく伝えてくれたり、前回来日でのリベンジとばかりに、“Macushla”のシンガロングを促すレクチャーは、その懇切丁寧さに思わず笑いながら、なんだか涙が出そうになる。そのおかげで、会場全員が頑張って、ラストまで歌いきった。ラストの彼女の笑顔がまた格別で。
公私ともにパートナーでもあるジョン・ダグラス(トラッシュ・キャン・シナトラズ)はじめ、アルバム制作にも参加しているメンバーとともに紡ぐバンド・サウンドはオーガニックなグルーヴがとても心地よく、エディの歌声もその楽器のひとつのように、様々な風景を描いていく。「アンコールで引っ込むと、時間なくなるけど、このまま歌えばあと3曲が歌える」と、時間ギリギリまで歌おうとしてくれる姿にも感動。本編が終了して客電がつき、客送りのBGMが流れても、あまりに素晴らしい演奏と歌とパフォーマンスとに、誰もがその場を離れがたい思いにかられた。「アンコール」を求める心からのハンドクラップが鳴り止まず、観念したエディ女史は、1人でステージに表れると、なんとみんなが確実に一緒に歌える、あの曲をアカペラで歌ってくれたのでした。
今のエディ・リーダーはシンガーとしてキャリアの中でも最高に充実した季節を送っているのではないかと思う。この後の名古屋公演、大阪公演に行く予定の人は、きっと予想を超える感動を味わえはずなので、乞うご期待!(杉浦美恵)
来日公演の詳細は以下。
●来日公演情報
【名古屋】
2019年2月6日(水) @ 名古屋CLUB QUATTRO
開場18:30 / 開演 19:30
チケット:前売¥7,500(スタンディング/ドリンク別)
問:052-264-8211(名古屋CLUB QUATTRO)
【大阪】
2019年2月7日(木) @ 梅田CLUB QUATTRO
開場18:30 / 開演 19:30
チケット:前売¥7,500(スタンディング/ドリンク別)
問:06-6535-5569(SMASH WEST)
さらなる詳細はSMASHの公演ページにてご確認下さい。