フジロックらしいフジロック!
ついに発表された「FUJI ROCK FESTIVAL '19」、その第一弾ランナップを確認しての第一声がコレ(↑)だった人も多いはずだ。昨年がケンドリック・ラマーとボブ・ディランがヘッドライナーで並び立つという超新機軸のラインアップだっただけに、今年のバック・トゥ・ベーシック路線はより一層際立つのだ。
何しろ1組目のヘッドライナーのケミカル・ブラザーズ。彼らこそまさに鉄板、フジロックの歴史においても最も馴染深いアクトのひとつだし、しかも今年の彼らは新作『ノー・ジオグラフィー』を引っさげてのフレッシュなステージが期待される。さらには前回出演が2011年と意外に間隔が空いたこともあって、マンネリ感が薄いのもポイントだ。
2組目のヘッドライナー、ザ・キュアーも今回が通算3度目のフジロックだ。前回2013年には実に3時間超えのパフォーマンスを繰り広げ、深夜の苗場に孤高の伝説をぶち立てた彼らだが、現在ニュー・アルバムをレコーディング中と報じられている彼らだけに、伝説のアップデートを目撃する可能性もあるのだ。何れにしても彼らがやるからには再び深夜0時を跨ぐ長大ステージになること必至、万全の体調で臨みましょう!
そして3組のヘッドライナーの中で、唯一のポップ枠にしてサプライズとして異色を放っているのがシーアだ。海外では押しも押されぬビッグネームの彼女だが、初来日にしてヘッドライナーはかなりのチャレンジのはず。ちなみに女性ソロ・アーティストがフジのヘッドライナーを務めるのはビョークに続きシーアが2人目という快挙でもある。そんな今年のフジでジャネール・モネイがついに初来日するのもアツい!
トム・ヨークの「Tomorrow's Modern Boxes」名義でのソロ来日は2015年のソニックマニア以来2度目。あの時はDJセットと思いきやDJセットに収まらない超変則ライブ・セットで圧倒した彼だけれども、今回は『サスペリア』サントラでソロ・キャリアのより一層の充実を経た後だけに、さらなる進化が期待できる。ちなみに、トムはコレでレディオヘッド、アトムス・フォー・ピース、ソロと3形態全てで苗場の土を踏むことになる。
また、新作『アシューム・フォーム』が新境地を果敢に開拓した傑作だったジェイムス・ブレイクも、このタイミングで嬉しすぎる来日! 新作のモードが反映された暁には、まだ見ぬ彼の素顔に迫るショウになるはずだ。また、苗場で観るジェイソン・ムラーズが格別なこともフジロッカーならご存知のはず。
それ以外の第一弾ラインアップも、これまたフジらしいオルタナ&インディ・アクトが勢揃いした印象だ。デス・キャブ・フォー・キューティーとケイクという二大USオルタナ・バンドに加えてアメリカン・フットボールやCHONらが並ぶ統一感というか納得感も凄いし、ミツキやシェイム、オールウェイズ、ポスト・スネイル・メイルと呼ぶべき超新星ステラ・ドネリーら、2010年代の必見アクトの揃い踏みも壮観!
また、ケイトラナダのフェス出演タイミングのジャスト感の一方で、クルアンビンやキング・ギザード・アンド・リザード・ウィザードみたいな、フジならではのフリーキーなアクトも健在だし、フジらしいと言えばジョージ・ポーターJr.のようなレジェンドとレッド・ホット・チリ・“パイパーズ”のようなシャレの効いたアクトが肩を並べる自由さも言うまでもない。しかもパイパーズ、チェックしてみたらフェス荒らしの予感しかしない楽しさなんだよ(↓)!
と、第一弾発表の段階で既にエキサイトメントが凄いフジですが、あくまでこれはまだ第一弾。本番まで半年近く、妄想を滾らせて続報を待つことにしましょう。(粉川しの)