ギターの名手ぶりとソングライターとしての鉄壁の力量をみせつけつつ、その人柄も堪能させたジョン・メイヤー武道館公演を観た!

ギターの名手ぶりとソングライターとしての鉄壁の力量をみせつけつつ、その人柄も堪能させたジョン・メイヤー武道館公演を観た!  - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi

5年ぶりの来日を果たしたジョン・メイヤーだが、自らのソングライティングと当代最高峰を争うギター演奏をみせつける圧倒的な内容のライブとなり、あらためてジョンのギターの名手としての確固たるスキル、さらにソングライターとしての確かさという鉄壁の力量にジョンの人柄も加わった、どこまでも楽しめるパフォーマンスとなった。

オープナーはジョンへの評価を世界的に定着させた2006年の3rdアルバム『コンティニュアム』からの“Belief”で、詰め掛けた観客から一斉に大きな歓声が上がる。今回はギタリストとしてジョンのバンドとしてはお馴染みのデヴィッド・ライアン・ハリスとディアンジェロのギタリストとして有名なアイザイア・シャーキーのふたりを従えていて、“Belief”の後半ではまずアイザイアのソロが披露され、それにジョンが絡んでいくという見せ場が作られることになった。

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続いたのは最新作『ザ・サーチ・フォー・エヴリシング』からの“Moving On and Getting Over”だったが、まずはアイザイアをメインしたアドリブのイントロが披露され、ひとくさり演奏した後にこの曲のゆったりとしたポップ・ファンクのキーボード・リフが鳴り出し、途端に大歓声に迎えられる。ベースのピノ・パラディーノの生み出すグルーヴに乗っかって軽快に展開し、特にジョンの聴かせどころのボーカルが特徴的な曲だが、同時に自身のメロディアスで伸びのあるギター・ソロもふんだんに見せつけてくれる。

続くR&Bバラードの“I Don't Trust Myself (With Loving You)”では憂いに満ちたメロディを歌い上げながら、終盤では自身のギターでブルース・ソロをどこまでも弾きまくる演奏を叩きつけた。ライブでは曲間によくアーティストの名前や「アイ・ラヴ・ユー」などの呼びかけがよく観客からかかるものだが、「かっこいい~!」という男子からの声がこの曲の終わりに何度かかかって、とても落ち着いた雰囲気をイメージにしているジョンらしい掛け声だなあと印象深かった。

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その後はジョンがアコースティック・ギターに持ち替えての“Who Says”、続いてよりカントリー色の強い“Waiting On The Day”と続き、最後にエレクトリック・ギターにまた持ち替えてエンディングのギター・ソロを徹底的に弾き倒してみせる。基本的にレコーディング・アーティストとしてのジョンは、どこまでも聴きやすくてポップだけどオーセンティックな魅力をたたえるシンガー・ソングライターとしての路線に徹していて、ある意味でギタリストとしての自分はどこまでも抑えている。しかし、ライブではここにギターの名手としての一面が加わるわけで、それが最初から最後までこのライブにおけるひとつの見所ともなっているし、ライブだからこそ味わえるジョンのカタルシスともなっているのだ。

おそらくこの日、ジョンの最もポップな側面を打ち出したのは昨年シングル・リリースし、前半を締め括った“New Light”で、その軽快さはジョンのソングライターとしての傑出した才能をみせつけるものでもあった。

ギターの名手ぶりとソングライターとしての鉄壁の力量をみせつけつつ、その人柄も堪能させたジョン・メイヤー武道館公演を観た!  - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi

休憩を挟んだ後半の序盤はジョンだけのアコースティック・セットとなったが、その4曲目に披露されたファースト・アルバム『ルーム・フォー・スクエア』からの“Neon”はジョンの名手ぶりを徹底的に見せつける内容のパフォーマンスで、アコースティック・ギターでのジャズ・ギター・パフォーマンスをイントロで披露し、終盤ではギターの低音部だけでベース・ソロ的な演奏をひとくさり披露し、さらにはまたギター・ソロで締め括るという驚異的な内容だった。

前半だけで1時間、後半は1時間半と、みっちりジョンのレパートリーを堪能できる内容のライブだったし、どこまでもファンを満足させようとするそのエンタテイナーぶりも素晴らしかった。特に落ちがあるわけではないのだが、折に触れてファンに長々と語りかけていくMCもそんなジョンの気質の表れだったように思う。(高見展)

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<SETLIST>
1. Belief
2. Moving On and Getting Over
3. I Don’t Trust Myself (With Loving You)
4. Who Says
5. Waiting On The Day
6. Love on the Weekend
7. Something Like Olivia
8. Changing
9. Why Georgia
10. New Light
11. In Your Atmosphere
12. Buckets of Rain
13. Your Body Is A Wonderland
14. Neon
15. I Guess I Just Feel Like
16. Rosie
17. In the Blood
18. Slow Dancing In A Burning Room
19. The Age of Worry
20. If I Ever Get Around To Living
21. Waiting On the World to Change
22. Dear Marie
(Encore)
EN1. You're Gonna Live Forever in Me
EN2. Gravity
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