【3年ぶりの大復活! グラストンベリーDAY2レポ】ノエル・ギャラガー、オリヴィア・ロドリゴ、ミツキ、ブラック・ミディ、ハイム、スクイッド、スカンク・アナンシー、メトロノミ―…etc.
2022.06.28 15:00
グラストンベリー2日目は何といっても、サー・ポールであることは間違いないのだが、オーディエンスの期待を盛り上げるのにふさわしいアクトが満載だった土曜日。
ジャンルの垣根を超えた難解とも言えるソニックでオーディエンスを驚愕させたブラック・ミディ。曲の途中で変調したり、テンポが変わったりでオーディエンスはノリ方が掴めずにいるが、何せ目が離せない。サクソフォンを加えた5人体制になって、ジャジーかつフュージョンサウンドを醸し出す。来月発売予定の新アルバム『Hellfire』の期待が高まる。
99年に「ピラミッドステージ」でヘッドライナーを務めたスカンク・アナンシーは、今年は午後のステージながらも、威厳と貫禄を見せつけた。スキンは目を見張るようなブライトイエローのパンツスーツに悟空のような巨大な被り物。“Weak”で見せた力強く艶のある声と切れのあるパフォーマンスでその存在感は群を抜いていた。
かなり楽しみにしていた、ブライトンのホープ、スクイッドは、ドラム/リードボーカルのオリ―・ジャッジを軸に、5人のメンバーが、様々な楽器を組み合わせて機能を連結させるという高度なステージングを披露。さらにパーカッションも加わり、フェスティバルにふさわしい立体的なサウンドを醸し出すが、ナード感が抜けきらないところが好感が持てる。まだアルバムは1枚ながらも完成度の高い演奏を見せてくれた。
初登場ながらも堂々たるパフォーマンスを見せたオリヴィア・ロドリゴは、衣装も楽器もパープル!というポップスターの王道ステージング。ロード対ウェイドに関する米最高裁判所の決定を受け、判事たちの名前を読み上げて「あんたたちなんか大嫌い!」と言い放ち、リリー・アレンをゲストに迎え “F*** You”を共演。Z世代の代表として、怒りに満ちたパワフルな声明を発表し、賛辞を呼んだ。
メトロノミ―には太陽が良く似合う。まるでビーチに来たかのようなカラフルな衣装で登場したメンバー。強い日差しの下、シンセオルガンがクリアに鳴り響くと“The Look”でオーディエンスは満面の笑みでダンスの渦に巻き込まれた。ハッピーアフタヌーン。
環境活動家グレタ・トゥーンベリがスピーチを行い、その後15分遅れで登場したハイム。お揃いの黒のビキニトップが眩しい。ダニエルの声の調子がイマイチだったためか、 “3AM”はエスティが全ボーカルを担当。マイク1本でオーディエンスに駆け込む。お決まりの携帯ドラマも高じて、会場は大笑い。ハイムは楽しい!フェスティバルバンドの醍醐味を見せつけた。
一方こちらの兄弟、オアシスはというと、95年にこの場所でヘッドライナーを務めたが、今年は兄一人。ノエル・ギャラガーは、「あんたら興味ないと思うが、もう2,3曲演るから。でもこの後ここに残れば、ハッピーな人たちで埋め尽くされるよ」とサーカスティックなコメントを残した。しかし、観客が確実にノエルのオーディエンスだったのは、“Don’t Look Back In Anger“で最後尾まで大合唱だったことが証明している。
ドラマティックかつシアトリカルなコレオグラフで観衆を魅了したミツキ。“Should’ve Been Me“で感情の吐露を表現し、前列で彼女を見守るコアなファンはまるで涙ぐんでいるようにも見えた。完璧主義者たる彼女の精密なステージングは圧巻の一言。
そして、サー・ポール・マッカートニー。グラスト史上最高齢のヘッドライナーとして、新たな歴史を築いた。トリの詳細レポートは8月7日発売号にて掲載予定!お楽しみに!(近藤麻美)