クラウトロック伝説:カン。貴重インタビュー & 徹底論考で、驚異の音楽性の秘密に迫ります!

クラウトロック伝説:カン。貴重インタビュー & 徹底論考で、驚異の音楽性の秘密に迫ります!

去る2月9日、カンの2代目ボーカリスト、ダモ鈴木が亡くなった。74歳だった。ダモは1950年神奈川県生まれの正真正銘の日本人であり、高校生の時にドロップアウトしてヒッピーとして海外を放浪し、たまたま21歳の時にミュンヘンで路上パフォーマンスしていたところをカンのメンバーに声をかけられ、そのままバンドに加入したと伝えられる。

つまりダモはロック史上初めて国際的に活躍し実績を残した日本人ミュージシャンだったと言えるかもしれない。だが、そんな彼の功績が日本では十分に認識されているとは言いがたい。長い間カンこそは日本で無視され過小評価されてきたバンドの代表格だったからだ。

ロッキング・オン4月号では、1997年に行われたイルミン・シュミット、ホルガー・シューカイ、ミヒャエル・カローリの3人への貴重なインタビューと、彼らの足跡と功績を紹介する論考(私が執筆した)の2本立てで、近年ようやく再評価の兆しが見えてきたこの偉大なグループに脚光を当てている。

カンはイギリス、ドイツ、ヨーロッパを中心に成功を収めたばかりか、パンク〜ポストパンクやテクノ、エレクトロニカ、ヒップホップなど、いわば70〜80年代以降に勃興したオルタナティブなポップミュージックにことごとく影響を与えてきた。ジャズ、ロック、サイケ、ソウル、ファンク、現代音楽、電子音楽、民俗音楽などが混合した独自の音楽性は、何十年先のポップミュージックの動向さえも先取りしていたのだ。

ダモの死でカンの主要メンバーで存命なのはイルミンと、初代ボーカリストのマルコム・ムーニーだけになってしまった。幸いにも彼らの残した音源のほとんどはサブスクリプションサービスで配信されている。これを機にぜひ彼らの音楽を聴いてほしい。(小野島大)



カンの記事が掲載されるロッキング・オン4月号

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